「賃貸の保証人代行ってどんなサービス?」「保証人代行は使っても大丈夫?」など、賃貸の保証人代行について気になっていませんか?
賃貸の保証人代行は、保証人を紹介または代行してくれるサービスですが、特徴や注意点を知らないと詐欺にあう可能性がある危険なサービスです。
このページでは、長年不動産仲介の営業として働いてきた筆者が、下記の流れで賃貸の保証人代行について解説していきます。
このページをすべて読めば、保証人代行の仕組みから、特徴や注意点まで知ることができるので、騙されることなく正しい方法で賃貸を契約できます。
1. 賃貸の保証人代行とは|保証会社は別のサービス
賃貸の保証人代行とは、賃貸を借りるときに保証人を紹介・代行してくれるサービスです。
まず、賃貸物件を契約するときは必ず「保証人」が必要です。保証人がいないと物件は借りれません。一般的には親族が保証人になるケースが多いですが、さまざまな理由で保証人を用意できない人もいます。
そんなとき利用するのが「保証人代行」です。賃貸契約でよく耳にする「保証会社」とはまったく別のサービスなので注意しましょう。
この章では、2つのサービスを詳しく解説します。
1-1. 保証人代行とはどんなサービスなのか
保証人代行は、賃貸契約で必要な保証人を紹介・代行してくれるサービスで、主に下記2つのタイプがあります。
- 自社請負型
- 保証人紹介型
一般的に世に多く出回っているのは「保証人紹介型」です。
さまざまな理由で保証人を用意できない人が保証人を紹介してもらうことで、賃貸物件を借りれる仕組みです。
利用料金の相場はいくら?
利用するときの料金は、登録料として「1万円」、契約料として「家賃0.5~1ヶ月分」が相場です。
登録料は会社によって「前払い・後払い」のどちらになるかが異なりますが、仮に利用するなら後払いが望ましいです。
そして、賃貸の契約を更新するタイミングで、「家賃0.5ヶ月分程度」の更新料が必要になります。
怪しい会社じゃないの?
一概には言えませんが、「保証人紹介型」の代行会社は怪しい会社が多いです。
冷静に考えて、お金を払うだけで見ず知らずの人の保証人を引き受けてくれるサービスなんて怪しすぎます。
この点に関しては「2章:被害事例でわかる!避けるべき保証人代行4つの特徴」で解説するので、騙されないように必ず確認しましょう。
1-2. 保証会社とはどんなサービスなのか
保証会社は、賃貸契約に関わる「金銭面」の部分を保証してくれるサービスで、下記のように呼ばれますがどれも一緒です。
- 家賃保証会社
- 賃貸保証会社
- 家賃債務保証会社
本来、保証人が請け負う金銭面の責任を一時的に担ってくれることから、「保証人不要」で賃貸物件を借りれる仕組みとなっています。
そしてなぜか「保証人不要」と「保証人代行」がゴチャゴチャになり、いつからか「保証会社=保証人代行会社」と認識する人が多くなりました。
ただ、説明してきたとおり「保証人代行」とは別のサービスになるので、注意しましょう。
利用料金の相場はいくら?
利用するときの料金相場は「家賃30~100%分」で、契約するときに初期費用と合わせて一括で支払います。
そのあとは、1年ごとに更新料として「1万円もしくは賃料の10%程度」を払って契約を継続させます。
また、利用する会社によっては毎月の家賃をクレジットカードで払えるので、ポイントが貯まるなどのメリットもあります。
怪しい会社じゃないの?
賃貸で広く利用されてる保証会社は、国土交通省が定める一定の用件を満たして国に登録された、信頼できる会社が多いです。
ただし、登録されてない会社で過去に厳しい取り立てが問題になったケースもあるため、怪しい会社は「一切ない」とまでは言えません。
もしあなたが保証会社を利用するときは、「こちら」に名前がある会社であれば信頼度が高いので、チェックしてみましょう。
1-3. 賃貸契約でよく使われるのは「保証会社」
一般的な賃貸契約で考えると、圧倒的に「保証会社」のほうが使われる機会が多いです。
理由として、大家さんにとっては保証人を用意されるより、保証会社を使ってくれたほうが家賃滞納のリスクがなくなるからです。
実際に、保証会社の加入を求めるケースは全国的に増え続けています。
下記は「日本賃貸住宅管理協会」が発表している統計データです。
上記のとおり、①.加入必須率は「全国平均82%」を超えています。
そして、②.利用率に至っては「全国平均98%」に達していることから、保証会社の利用は全国どの物件でも当たり前となってきています。
「保証会社」ついて詳しく知りたい人は、下記の記事を確認してください。
1-4. 保証人代行を利用するのはどんな人?
保証人代行を利用する人として考えられるのは、下記のような人があげられます。
- 保証会社の審査が通らない人
- 外国籍で日本人の保証人が必要な人
- 保証会社から保証人を求められてる人
それぞれのケースに分けて解説します。
保証会社の審査に通らない人
保証会社の審査に通らない人は、保証人を用意することで保証会社を使わずに契約できる物件もあるため、保証人代行を使うことになるでしょう。
保証会社利用が必須の物件は厳しいですが、募集条件に「保証会社利用可」と記載があれば「保証人でもOK」ということになります。
外国籍で日本人の保証人が必要な人
外国籍の人が賃貸物件を契約するときは、日本人の保証人を求められるケースが多いです。
そんなとき、他で日本人の保証人が不要な物件を見つければ解決しますが、どうしてもその物件を借りたいときは保証人代行を使うしか方法はありません。
保証会社から保証人を求められてる人
保証会社と契約するから保証人は不要だと思っていたものの、保証人を追加で求められるケースが割と多くあります。
理由は、保証会社にリスクがあると判断されたからです。このとき、保証人を用意できない人は保証人代行を使うことになるでしょう。
ここまで3つのケースを解説しましたが、どのケースも怪しい会社が多い「保証人紹介型」の保証人代行を使うことになります。
次の章で避けるべき保証人代行会社の特徴を解説するので、騙されないためにも必ずチェックしましょう。
2. 被害事例でわかる!避けるべき保証人代行4つの特徴
実際に保証人代行を利用するときは、避けるべき会社の特徴を知っておかないと、被害にあう可能性があります。
下記4つの特徴の中で、1つでも当てはまることがあったときは、できる限り利用しないことが望ましいです。
- 実店舗が存在しない保証人代行
- 本業が貸金業の保証人代行
- 悪どい規約を盛り込んでる保証人代行
- 嘘の勤務先や源泉徴収票を作ってくれる保証人代行
この章では、実際の被害事例も併せて解説していきます。
2-1. 実店舗が存在しない保証人代行
実店舗が存在しない代行会社は、詐欺にあう可能性が高いため絶対に使うべきではありません。
保証人紹介をメインにしてる会社は、基本的に電話やFAXで保証人を紹介するため、店舗があろうがなかろうが関係なく感じますが危険です。
インターネットで見つけた業者の場合は、必ず会社と店舗の所在地を確認して、実際に店舗があり正しく営業しているかまで確認しましょう。
実際にあった被害の事例
実際に「国民生活センター」に寄せられた被害事例の一部を紹介します。
保証人を紹介してもらえなかった|相談日:2010年1月・50代・女性・東京都
賃貸住宅の保証人が必要になり、インターネットで見つけた保証人の紹介会社に申し込みをした。インターネット上では、入金したらその日に保証人を紹介すると記載があった。電話でも、審査に合格すれば入金日に即紹介すると説明された。審査に合格したときには、既に公務員が保証人になることになっていると言われたので代金を振り込んだ。ところが保証人は紹介されなかった。
このように、代金だけ取られる詐欺も発生しているので、電話だけの説明で代金を振り込むのは絶対にやめましょう。
また、インターネット上で個人情報を登録するのも危険です。悪用されたり、更新料や解約料の請求がくる可能性もあります。
万が一登録してしまったり、違法な請求を受けてる場合は、消費者ホットラインの「188」に電話して、最寄りの国民生活センターを紹介してもらいましょう。
2-2. 本業が貸金業の保証人代行
本業が貸金業の代行会社は、ヤミ金とつながっているケースもあり、過度な取り立てや脅しを受けるリスクがあります。
こういった会社は保証人を紹介したり、お金を貸したりするなど、手広く営業しているので「保証人も紹介するし、初期費用も負担しますよ。」などの提案をしてきます。
困ってる人にとってはありがたい提案のように感じますが、高額な利息や取り立てリスクを考えて、受け入れないことが望ましいです。
2-3. 悪どい規約を盛り込んでる保証人代行
代行会社の中には、悪どい規約を盛り込んでる会社もあるため、規約を隅々まで確認しましょう。
よくあるのが、「保証人を紹介する代わりに、あなたも別の人の保証人になってください。」といった規約です。
他人の保証人になってしまうと、あなたが多額の負債を抱える可能性がありますし、解約しても保証人としての立場は変わりません。
実際にあった被害の事例
実際に「国民生活センター」に寄せられた被害事例の一部を紹介します。
相互保証であることの記載がなかった|相談日:2006年3月・50代・女性・東京都
融資依頼をしたら保証人を付けるよう言われたため、インターネットで紹介業者に登録し、登録料1万円を支払った。保証人が紹介されることになったが、自分も紹介された保証人の保証人になることが条件になっていたようだ。相互保証であることはどこにも記載はなかったし説明もなかったので、解約を申し出たら解約を拒否された。
このように、ブラックな会社だと規約に記載がなく対処できないケースもあるため、絶対に騙されたくない人は保証人紹介型の代行会社を使うのはやめましょう。
2-4. 嘘の勤務先や源泉徴収票を作ってくれる保証人代行
代行会社の中には、嘘の勤務先を用意したり、架空の源泉徴収票を作ってくれる会社があり、「在籍会社」や「アリバイ会社」と呼ばれます。
もちろん違法な行為となり、在籍会社を使うとあなたは下記の罪に問われます。
- 申し込みをしたら:「詐欺未遂罪」
- 契約を完了したら:「詐欺罪」
嘘の情報で大家さんを騙して部屋を借りることになるので、詐欺罪に問われるのです。
また、在籍会社はインターネットにHPを出していないので、自分で探して利用することはできません。
不動産会社に紹介してもらう
犯罪行為となる危険なサービスですが、在籍会社を利用するときは不動産会社に紹介してもらいます。
このときの不動産会社とは、部屋探しをサポートしてくれる仲介会社です。細かく言うと、仲介会社のスタッフになります。
仲介会社のスタッフが在籍会社と連絡を取り合い勤務先や書類を用意してくれるのです。
料金はスタッフの言い値で決まる
在籍会社を使うことは仲介会社のスタッフにもリスクがあるため、料金はスタッフの言い値で決まります。
在籍会社に支払う基本料金に、スタッフの取り分を上乗せして請求されるため、「5~10万円」のこともあれば「家賃1~2ヶ月分」ということもあります。
基本的にほとんどの仲介会社は加担しませんが、水商売やグレーな職業の人が多い地域の仲介会社だと、契約欲しさに紹介してきます。
何度も言いますが、絶対に騙されたくない・リスクを犯したくないという人は、保証人紹介型の代行会社は避けましょう。
3. 安心して利用できる保証人代行の特徴はただ1つ
安心して利用できる保証人代行は「物件を管理してる不動産会社が保証人を代行してくれる」という特徴ただ1つです。
この形は、保証人がいない人のために不動産会社が入居を支援しようと行っているケースが多いです。
大家さんとしても「物件の管理を任せてる会社が保証人になってくれるなら安心」と理解してくれるため、このような形で契約できるのです。
この章では、利用するときのメリット・デメリットなどを解説します。
3-1. 審査に通りやすいことがメリット
不動産会社が保証人を代行してくれるときは、高い確率で審査に通るので、保証人がいない人でも物件を借りやすいです。
通常は、契約者が用意した保証人で問題ないか、不動産会社が審査して契約するか・しないかを決めます。
しかし、保証人代行のケースだと、審査する側の不動産会社が保証人なので、審査はパスされ、大家さんの承諾さえもらえればOKということになります。
あなたの条件がいいことが大前提
上記のようにスムーズに契約するには、下記の基本的な審査条件をクリアしてる必要があります。
- 年収が家賃の36倍を超えている
- 正社員で雇用形態が安定してる
基本的に上記の2つがクリアしていれば、問題なく審査に通ると考えていいでしょう。
年収と家賃上限の目安は下記の表を参考にしてください。
年収 | 家賃上限の目安 |
200万円 | 5.5万円 |
250万円 | 6.9万円 |
300万円 | 8.3万円 |
350万円 | 9.7万円 |
400万円 | 11.1万円 |
450万円 | 12.5万円 |
500万円 | 13.9万円 |
3-2. 物件数が極端に限られることがデメリット
物件を借りやすい点がメリットですが、不動産会社が保証人を代行してくれるケースは非常に稀なので、物件数が極端に限られてしまいます。
実際に、私は今までに500件以上の賃貸契約をお手伝いしてきましたが、不動産会社が保証人を代行したケースは一度もありません。
なので、不動産会社が保証人を代行してくれる物件を探そうと思っても、簡単には見つかりません。
3-3. 気に入った物件で保証人を代行してくれるなら使うべき
あなたが気に入った物件で、不動産会社が保証人を代行してくれるということなら、喜んで使うべきです。
ただし、きちんと内容を確認することは忘れないようにしましょう。特に、下記の点は必ず確認してください。
- 契約するときの料金はいくらか
- 更新するときの料金はいくらか
- 契約年数の縛りはないか
- 違約金などの設定はされてないか
不動産会社の人に聞けばすぐにわかる内容なので、申し込むまえに一度確認してみましょう。
4. まとめ
賃貸の保証人代行について解説してきましたが、いかがでしたか。
保証人代行は、賃貸で必要な保証人を紹介・代行してくれるサービスで、世に多く出回っているのは「保証人紹介型」です。
すべての会社が怪しいわけではないですが、詐欺の被害も発生していることから、国も注意を呼びかけています。
ただ、どうしてもの理由で保証人代行を利用するときは、下記の代行会社に注意しながら慎重に判断しましょう。
- 実店舗が存在しない保証人代行
- 本業が貸金業の保証人代行
- 悪どい規約を盛り込んでる保証人代行
- 嘘の勤務先や源泉徴収票を作ってくれる保証人代行
上記の中でも「在籍会社」や「アリバイ会社」を使ったことが発覚すると、あなたが詐欺罪に問われるので注意しましょう。
最近では、水商売や無職の人でも審査に通る保証会社はあるので、正しいやり方で賃貸を契約することが望ましいです。
審査に通りやすい保証会社を知りたい人は、下記の記事を確認してみてください。
このページを読んだことで、あなたが保証人代行会社に騙されず、正しい方法で希望の物件を契約できることを願っています。
保証会社一覧
国土交通省の告示による一定の用件を満たした、国に登録されている保証会社です。
- ROOM iD
- オリコフォレントインシュア
- 全保連
- エルズサポート
- ジェイリース
- アーク
- ルームバンクインシュア
- ニッポンインシュア
- アルファ保証
- 近畿保証サービス
- 賃貸保証サービス
- 日本セーフティー
- フォーシーズ
- Casa
- ハウスリーブ
- 日本賃貸住宅保証機構
- 日本賃貸保証
- 新日本信用保証
- 旭化成賃貸サポート
- アイ・シンクレント
- いえらぶパートナーズ
- テンポアップ
- 興和アシスト
- スマイルサポート
- にじいろライフ
- ギャランティー・アンド・ファクタリング
- レスト・ソリューション
- アールエムトラスト
- えるく
- アセット・アイ
- ワンファミリー仙台
- スターリンク
- あんど
- 力十インベストメント
- サポート365
- てるまさ保証
- ダ・カーボ
- 宅建ブレインズ
- セキスイユニディア
- ジャストサービス
- くらしケア
- A-S
- ベステック
- アクシスコミュニティ
- ワンズスタンド
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- アドヴェント
- クレデンス
- プレミアライフ
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