賃貸契約はどんな流れ?スマホ1つで完結する理想的な物件の借り方とは

「賃貸契約の流れがわからない」「賃貸は不動産会社で物件を探して契約する流れがいいの?」など、賃貸契約の流れについて悩んでいませんか?

賃貸契約は、基本的な流れを理解すればスマホ1つで失敗しませんが、不動産会社に行くと「借りるべきでない物件」を借りてしまう危険があります。

このページでは、長年不動産仲介の営業として働いてきた筆者が、賃貸契約の「基本的な流れ」と「具体的な流れ」を下記の順で解説します。

この記事を読めば、賃貸契約の流れがすべてわかるので、だれでも失敗することなく理想の物件を借りることができます。

賃貸契約の基本的な流れ

はじめて賃貸を借りる人に限らず、だれもが「賃貸を契約するのは大変」と悩みがちですが、基本的な流れを把握していれば簡単に契約できます。

なので、賃貸を契約するときの基本的な流れを下記の3つに分けて解説していきます。

この章では基本的な流れを早足で解説するので、はじめて引越す人、さらに詳しく知りたい人は、続けて具体的な流れも読み進めてください。

賃貸契約の基本的な流れ①|物件探し〜内見

今はネットで物件を探せる時代なので、希望条件をまとめてスマホやパソコンから物件を探しましょう。

このとき「不動産会社に行って物件を紹介してもらう」という行為はNGです。

なぜかというと、引越し経験が少ない人はいいカモにされやすく、不動産会社が儲かる物件の契約を迫られるからです。

なので、あなたのペースで探せて契約を強引に迫られることがない、ネットから理想の物件を探しましょう。

物件探しは「2ヶ月前」がベスト

物件探しは、引越したい日の「2ヶ月前」から探しはじめるのがベストです。

2ヶ月以上前から探しても、物件を仮押さえすることはできないので意味がありません。

「いい物件があればすぐにでも引越せる!」ぐらいの感覚でいれば、理想の物件を借りれる確率はグッと上がります。

気になる物件はすぐに内見する

1物件だけでもいいので、気になる物件が見つかったらすぐにでも内見にいきましょう

このとき、「せっかく内見するんだからまとめて見たい」と思い、他の物件も探しがちですが、その行為はおすすめしません。

なぜかというと、他の物件を探している間に気になる物件が埋まってしまう恐れがあるからです。

特に1~3月の引越しシーズンだと、「朝に募集したばかりなのに昼過ぎには募集が終了していた」なんてことが頻繁に起こるので注意しましょう。

内見は現地待ち合わせにする

内見するときは、物件現地で待ち合わせてパパッと内見しましょう。1部屋なら10分もあれば内見できます。

多くの不動産会社が、他の物件を紹介する目的で「内見前に店舗へお越しください」と言ってきますが、時間の無駄なので断りましょう。

このときは「メールで資料を送ってください」と伝えて、気になる物件があったら一緒に内見させてもらいましょう。

賃貸契約の基本的な流れ②|申し込み〜審査

実際に内見して理想の物件が見つかったら、その場で入居申込書に必要事項を記入して申し込みましょう。

なぜその場で申し込むかというと、賃貸は申込書の到着順で1番手、2番手と優先順位が決まる「早い者勝ちのシステム」だからです。

先ほどと同様に、1~3月の引越しシーズンは申込書の到着が少し遅かっただけで、泣く泣く別の物件に切り替える人も多いので注意しましょう。

申し込みから2~3週間後には家賃が発生する

一般的に、申し込んだ日から2~3週間後には家賃が発生するということを覚えておきましょう。

このとき、1ヶ月後であれば交渉次第で待ってくれるかもしれませんが、2ヶ月後まで待ってくれるオーナーはごく稀です。

審査に必要な書類を準備しておく

申し込んだあとは審査に必要な書類を提出するため、事前に下記の書類を準備しておきましょう。

  • 顔写真付の身分証明書(免許証やパスポートなど)
  • 収入を証明する書類(源泉徴収票または確定申告書)

内見するときに持っていくのが望ましいですが、間に合わなかったときは2~3日以内に提出してください。

賃貸で審査をする理由は?

賃貸の審査は、オーナーの資産である物件をあなたに貸して問題ないか、家賃を払える能力はあるか、判断するために行われます。

要するに、ほぼすべての賃貸物件で審査は必須なので、審査に通らないと物件を借りることはできません。

審査で見られるポイントは、「賃貸契約の具体的な流れ⑤|審査をする」で詳しく解説します。

審査にかかる期間は?

審査にかかる期間は、1日ということもあれば、7日程度かかることもあります。

なぜこんなにも差があるのかというと、物件によってオーナーが「個人」と「法人」に分かれているからです。

個人オーナーの物件は期間が短いですが、法人オーナーだと会議などで承認をとるケースがあるため、下記のように期間が長くなります。

オーナー 審査期間
個人 1~3日
法人 3~7日

つまり、審査期間が長いからといって審査に落ちたわけではないので、焦らないようにしましょう。

賃貸契約の基本的な流れ③|契約〜引き渡し

審査に通ったら、まずは下記のスケジュールを不動産会社と相談して決めます。

  • 契約締結日けいやくていけつび|契約書にサインする日
  • 契約開始日けいやくかいしび|家賃が発生する日

契約締結日は審査承認の連絡をもらった日から「7~10日後」、契約開始日は「10~14日後」あたりで設定するのが一般的な流れです。

そして、契約締結日には下記の書類が必要になるので、事前に準備しておきましょう。

  • 住民票じゅうみんひょう※3ヶ月以内に発行した原本
  • 印鑑証明書いんかんしょうめいしょ※3ヶ月以内に発行した原本

基本的に契約者が用意するのは住民票だけで、印鑑証明書は「連帯保証人れんたいほしょうにん」が用意します。

次に契約開始日が決まったら、引越し比較サイトから料金の見積もりをとって引越し業者を決めましょう。

連帯保証人とは

連帯保証人は、契約者と連帯して責任をとる役割の人です。

仮に連帯保証人がいない場合、契約者が家賃を払わず逃げてしまったら、オーナーはだれからも家賃をもらえず泣き寝入りするしかありません。

このようなことが起きないように、賃貸物件を借りるときは連帯保証人を用意して契約するのです。

契約する前に重要事項説明じゅうようじこうせつめい」を必ず受ける

契約する前に、契約に関する重要な部分を説明してもらう「重要事項説明(重説)」を受けることが一般的な流れです。

今では「IT重説」が認められているので、テレビ電話のような形で説明してもらうケースも徐々に増えてきています。

そして、この重要事項説明には知らないと後悔する内容がたくさんあるので、「賃貸契約の具体的な流れ⑦|契約をする」で詳しく解説します。

契約したあとに初期費用を支払う

無事に契約が完了したら、「敷金」や「礼金」といった初期費用をまとめて支払います。

ただ、物件によっては契約締結日の前日までに支払うケースもあり、東京だとこの流れが一般的です。

このとき、契約前に支払うのは不安と感じますが、すべて「預かり金」の名目になるため万が一キャンセルしたときは全額返金されます。

敷金/礼金とは

敷金は、お金に関するトラブルが発生したときの担保としてオーナーに預けるお金です。

礼金は、部屋を貸してくれるオーナーにお礼として支払うお金です。

契約開始日の前日に鍵をもらう

契約と支払いが完了したら、契約開始日の前日もしくは当日に鍵を受け取ります。

基本的には不動産会社で受け取りますが、場合によっては郵送で送ったり、現地で受け取れるケースもあります。

鍵をもらえれば部屋に入れますが、契約上の問題から、契約開始日以降に入るようにしましょう。

ここまでのまとめ.

ここまでに解説してきた基本的な流れを把握しておけば、不動産会社に頼ることなく物件を借りることができます。

そして、基本的な流れを細分化していくと以下のような流れになります。

賃貸契約の流れを表したイメージ

やること自体はシンプルですが、審査のポイントや契約の注意点など、具体的な内容を理解すれば理想の物件を借りやすくなります。

なので、下記の項目ごとにより詳しい流れと注意すべき内容などを解説していくので、あなたの状況に合う項目から読み進めてください。

物件の探し方や内見するときの手順がわかっている人は、「賃貸契約の具体的な流れ④|申し込みをする」から確認しましょう。

賃貸契約の具体的な流れ①|条件を決める

物件を探すときは、下記の条件をまとめることからはじめてみましょう。

このとき、「どうしても不動産会社の人と相談しながら決めたい」という人でも、ざっくりとでいいので自分の希望や理想をまとめておきましょう。

なぜなら、すべてを不動産会社に任せるとあちらに都合のいい物件ばかり提案されるからです。

なので、この章を参考にして少しでも自分で条件をまとめられるようにしましょう。

1-1. 月収に見合う家賃を計算する

一般的に、家賃の上限は「手取り月収額の25%前後」が理想とされています。

また、家賃が25%前後であれば入居審査の基準もクリアとなるので、審査に通りやすくなるメリットがあります。

下記の表は、月収別に計算した家賃上限の目安なので、あなたの月収だといくらが目安になるのか確認しましょう。

手取り月収額 家賃の目安
120,000 ~ 140,000円 30,000 ~ 35,000円
150,000 ~ 170,000円 37,500 ~ 42,500円
180,000 ~ 200,000円 45,000 ~ 50,000円
210,000 ~ 230,000円 52,500 ~ 57,500円
240,000 ~ 260,000円 60,000 ~ 65,000円
270,000 ~ 290,000円 67,500 ~ 72,500円
300,000 ~ 320,000円 75,000 ~ 80,000円
330,000 ~ 350,000円 82,500 ~ 87,500円

賃貸の初期費用は家賃4~6ヶ月分かかる

賃貸の初期費用(契約金)は、「敷金」や「礼金」などを合わせて「家賃:4~6ヶ月分」かかることが一般的です。

なので、仮に家賃60,000円の物件を借りるときは「240,000~300,000円」の初期費用が必要と考えておきましょう。

また、初期費用の内訳と、何のために支払うお金なのかは、下記の表を見ればわかります。

名目 目安 詳細
敷金 1~2ヶ月 部屋を借りる担保として大家さんに預けるお金。
礼金 1ヶ月 部屋を貸してくれる大家さんにお礼として支払うお金。
前家賃 1ヶ月 翌月分の家賃を前もって支払っておくためのお金。
仲介手数料 1ヶ月 部屋探しから契約までサポートしてくれる不動産会社に支払うお金。
保証料 0.5ヶ月 保証会社※を利用するときに支払うお金。
火災保険料 1~2万円 万が一の火災や水害に備えて保険会社に支払うお金。
鍵交換費用 1.5~3万円 前の入居者が使ってた鍵を交換するためのお金。

保証会社とは

保証会社は連帯保証人の役割を果たしてくれる会社です。

家賃を滞納したときは、一時的に家賃を立て替えてオーナーに払ってくれます。

東京だと「8割以上」の物件が保証会社の利用を必須としているので、保証料が必要となるケースが一般的です。

1-2. 住みたいエリアを決める

土地勘がないところに引越すときは、職場や学校に通いやすい路線が通っているエリアで探したほうがいいです。

仮に勤務先を新宿として、山手線沿線で探すときは、以下のように新宿から両隣10駅ぐらいを候補にしましょう。

山手線の路線図

駅にこだわらないで物件を探しはじめると物件数が多すぎて絞り込むのが大変なので、大まかな駅は決めておきましょう。

区域で絞るときは家賃相場を参考にする

路線ではなく区域でエリアを決めるときは、区ごとの家賃相場を参考にしてみてください。

というのも、東京23区で考えると倍近くの差が出るので、家賃が高い区域と安い区域を把握しておきましょう。

下記は、東京23区内にある1人暮らし用の物件を対象にした家賃相場です。出典:HOME’S

区域 家賃相場
港区 124,500円
千代田区 117,400円
中央区 112,900円
渋谷区 112,000円
目黒区 105,000円
台東区 103,000円
新宿区 102,700円
文京区 98,000円
江東区 96,600円
品川区 94,300円
墨田区 93,500円
豊島区 90,300円
世田谷区 87,100円
中野区 84,900円
大田区 82,900円
北区 81,000円
杉並区 80,300円
荒川区 79,500円
板橋区 75,200円
練馬区 72,000円
江戸川区  70,000円
足立区 69,200円
葛飾区 67,900円

1-3. 部屋の間取りを決める

部屋の間取りを決めるときは、下記の表を参考に「住む人数」と「荷物の量」で決めるようにしましょう。

住む人数 荷物が少ない 荷物が多い
1人暮らし ワンルーム ~ 1K 1DK ~ 1LDK
2人暮らし 1DK ~ 1LDK 2DK ~ 2LDK
家族暮らし 2LDK ~ 3LDK 4LDK ~

上記の「DK」はダイニングキッチンの略で、「LDK」はリビングダイニングキッチンの略です。

それぞれ詳しく解説します。

1人暮らしの場合

基本的に、大学への進学や、就職するときの1人暮らしであれば、ワンルームもしくは1Kで十分です。

ワンルームと1Kの違いは、キッチンが「居室にあるか」「廊下にあるか」ということで、居室にあればワンルーム、廊下にあれば1Kとなります。

ワンルームと1Kの違いを表したイメージ

家賃に関しては、1Kのほうが1~2割高いケースが多いです。

それぞれ生活しやすい部屋の㎡数(平米数)と畳数は下記の通りなので、参考にしてみてください。

間取り ㎡数 畳数
ワンルーム 23㎡~ 8.5畳~
1K 25㎡~ 7畳~

また、ワンルームはキッチン前のスペースも畳数に含まれるため、1Kより1.5畳分広いほうが生活しやすいです。

上記の㎡数や畳数に満たない部屋もたくさんありますが、単純に狭くて収納スペースも小さくなるので注意しましょう。

1人暮らしで荷物が多い場合

荷物が多い場合は、ワンルームや1Kより1部屋多い、1DKもしくは1LDKを候補にしましょう。

1DKと1LDKの違いは、リビング・ダイニングの広さの違いで、8畳未満なら1DK、8畳以上なら1LDKとなります。

1DKと1LDKの違いを表したイメージ

収納スペースと家賃に関しては、1LDKのほうが大きく、家賃も2~3割高いケースが多いです。

そして、1DKはアパート、1LDKはマンションに多い間取りといえます。

それぞれ生活しやすい部屋の㎡数と畳数は下記の通りなので、参考にしてみてください。

間取り ㎡数 畳数
1DK 35㎡~ リビング8畳~|寝室4畳~
1LDK 45㎡~ リビング10畳~|寝室6畳~

2人暮らしの場合

2人で暮らすときは、2部屋あることが理想だと思うので、上述した1DKもしくは1LDKを検討しましょう。

選ぶポイントとしては、下記のように考えると決めやすいです。

間取り 選ぶときのポイント
1DK
  • アパートでもいい人
  • 多少部屋が狭くても家賃が安い物件に住みたい人
  • 部屋に大きい家具家電を置かない人
  • 家で料理はしないからキッチンは小さくてもいい人
1LDK
  • マンションに住みたい人
  • 家賃が高くても広い部屋に住みたい人
  • 収納は大きいほうがいい人
  • リビングに大きめのソファやテーブルを置きたい人
  • 将来的に結婚や出産を考えてる人

上記のことから、若い恋人同士の同棲であれば、1DKでも十分暮らせるでしょう。

一方で、新婚の2人であれば1LDKのほうが暮らしやすいです。

将来的に子供ができたときも1~2歳までなら1LDKでも3人で暮らせるので、急いで引越す手間が省けます。

2人暮らしで荷物が多い場合

荷物が多い場合は、1DKや1LDKより1部屋多い、2DKもしくは2LDKを候補にしましょう。

2DKと2LDKの違いは、リビング・ダイニングの広さの違いで、10畳未満なら2DK、10畳以上なら2LDKとなります。

2DKと2LDKの違いを表したイメージ

収納の大きさはさほど変わりませんが、キッチンスペースは2LDKのほうが広く、家賃も2~3割高いケースが多いです。

そして、2DKは1980年代に流行った間取りなので古い物件に多く、2LDKは新築マンションでも多く作られる間取りといえます。

それぞれ生活しやすい部屋の㎡数と畳数は下記の通りなので、参考にしてみてください。

間取り ㎡数 畳数
2DK 40㎡~ リビング8畳~|寝室5畳~|寝室5畳~ 
2LDK 60㎡~ リビング12畳~|寝室6畳~|寝室6畳~ 

家族暮らしの場合

3~4人の家族で暮らすときは、最低でも2LDK以上の間取りを選ぶことが望ましく、子供の人数に合わせて2LDKもしくは3LDKを検討しましょう。

このとき、子供が1人なら2LDK、2人なら3LDKといった感覚で問題ありません。

また、2LDKと3LDKの違いは寝室の数です。寝室が2つなら2LDK、3つなら3LDKとなります。

2LDK,3LDKの違いを表したイメージ

上記のイメージでも分かる通り、3LDKは寝室が多い分リビングが小さくなるケースが多いです。

なので、3LDKでも大きいリビングが欲しいときは、下記の生活しやすい部屋の㎡数と畳数を参考にしましょう。

間取り ㎡数 畳数
2LDK 60㎡~ リビング12畳~|寝室6畳~|寝室6畳~ 
3LDK 75㎡~ リビング15畳~|寝室6畳~|寝室6畳~ 
家族暮らしで荷物が多い場合

荷物が多かったり、子供部屋のほかに夫の書斎などを用意したいときは、寝室が4つある4LDKにすることが望ましいです。

4LDKならマンションより戸建てのほうが選択肢は増えるので、戸建てもあわせて検討しましょう。

1-4. 物件の条件を決める

物件の条件を決めるときは、下記3つの項目を中心に考えるようにしましょう。

一般的な目安とあわせて詳しく解説します。

物件の条件①|駅までの距離

日々の通勤通学で物件から駅まで歩く人は、「10分以内」を条件にすることが多いです。

そして、駅に近いほうが家賃は高くなり、駅から遠いほど家賃は安くなります。家賃を安く抑えたい人は、駅まで自転車で通うことも検討しましょう。

また、距離と分数は算出基準が決められていて、「80mにつき1分」なので、駅まで10分だと800mになります。

駅に近いデメリット

駅に近いと便利ではありますが、下記のようなデメリットも考えられます。

  • 治安が悪い
  • 電車の音がうるさい
  • 交通量が多く慌ただしい

上記のことから、静かに暮らしたいという人は駅に近すぎる物件は避けた方がいいでしょう。

物件の条件②|築年数

築年数は、建物が完成してから何年経っているかを表したものです。

きれいな築浅物件に住みたいときは、「3年以内」や「5年以内」が望ましいです。ただ、築が浅いほど家賃は高くなるので注意しましょう。

最近は、室内を新しく作り直す「リノベーション」が流行っているので、築30~40年でも新築同様のきれいな部屋はたくさんあります。

なので、築が古い物件も候補から外さないことが、いい物件に出会えるコツともいえます。

迷ったら1981年(昭和56年)を基準にする

築年数を何年以内に設定するか迷ったときは、一旦「未設定」にしておき、1981年以降に完成した物件を選ぶようにしましょう。

理由は、建物の耐震基準が1981年に切り替わったからです。

  • 1981年より「前」に完成した物件:旧耐震
  • 1981年より「後」に完成した物件:新耐震

わかりやすく言うと、1981年より前に完成した物件は地震に弱いです。

なので、築年数にこだわりがない人は「1981年以降に完成した物件にする」ということを1つの基準として考えておきましょう。

ちなみに、1982年に完成した物件でも旧耐震ということが稀にあるので、1981年前後に完成した物件は不動産会社に耐震基準を確認しましょう。

物件の条件③|建物構造

建物構造は、どんな構造で建物が作られているのかを表したもので、賃貸物件で一般的に多いのは下記3つの構造です。

構造 種別 特徴
木造
(W造)
アパート・戸建て 上階からの音が下階に伝わりやすく、冬場はすごく寒い。
鉄骨造
(S造)
アパート・マンション 大きな欠点がないバランスの取れた構造だが、鉄なので耐火性が△。
鉄筋コンクリート造
(RC造)
マンション 耐震性、防音性、耐火性、断熱性どれも優れている。

上記のとおり、「鉄骨造」と「鉄筋コンクリート造」であれば、不便なく暮らせると考えていいでしょう。

一方で、「木造」は騒音や寒さが気になるので注意しましょう。

家賃に関しては、「木造→鉄骨造→鉄筋コンクリート造」の順に高くなります。

迷ったら絞らないで探す

建物構造は物件によって良し悪しが大きく異なるので、迷ったときは絞らないで探すことが望ましいです。

騒音などの問題は、実際に内見してチェックすることが何よりも大切です。

1-5. こだわりたい条件を決める

建物と部屋にあって欲しい設備やペット飼育の可否など、あなたがこだわりたい条件を決めましょう。

一般的に人気なのは下記の条件なので、実際に生活することを想像して検討してみてください。

  • バス・トイレ別
  • 2階以上の部屋
  • オートロック
  • 浴室乾燥機
  • 追い焚き機能
  • ウォシュレット
  • 独立洗面台
  • 宅配ボックス
  • インターネット使用料無料
  • ペット飼育可
  • 都市ガス

このとき、こだわりたい条件が多すぎると物件数が限られるので、絶対に譲れない条件だけに絞りましょう。

アパートなら「都市ガス」はマスト条件

物件で使用するガスの種類は「都市ガス」と「プロパンガス」に分かれますが、アパートを借りるなら「都市ガス」をこだわりたい条件に入れましょう。

なぜかというと、プロパンガスは都市ガスより毎月の料金が1.5倍ほど高くなるため、都市ガスを選んだほうが無駄な費用を払わずに済むからです。

また、都市ガスであれば料金の安いガス会社をあなたが選ぶこともできるので、さらにお得になります。

以上が、物件を探す前にまとめておく項目です。次の章で、実際に物件を探すときの手順を解説します。

賃貸契約の具体的な流れ②|物件を探す

今の時代「物件はネットで探すべき」と伝えてきましたが、実際に探すときはテレビCMでも有名な「HOME’S」が便利で使いやすいです。

HOME'Sの公式hp

引用:HOME’S

特徴としては、全国の不動産会社が紹介したい物件を掲載しているため、不動産会社に行かなくても募集物件を見ることができます。

また、気に入った物件を複数の不動産会社が紹介していれば、あなたが良さそうと思う不動産会社を選んで問い合わせることもできます。

ポータルサイトの縮図

つまり、家にいながら「好きな物件」と「好きな不動産会社」を選ぶことができるのです。

こういった点から物件はネットで探すべきと言えるので、実際に「HOME’S」で探すときの手順を下記4つのステップに沿って解説します。

STEP1. 路線または地域でエリアを指定する

まずはエリアを選択しますが、以下のイメージに沿って「路線から探す」→「路線を選ぶ」→「駅を選ぶ」の順に指定します。

HOME'Sの検索画面

このとき、特定の住みたいエリアがある場合は「地域から探す」を使いましょう。

そして、希望の駅にチェックを入れたら「詳細条件を指定する」をクリックして、次のステップに進みます。

STEP2. 希望の条件を指定して検索

希望の駅またはエリアを決めたあとは、希望する「物件の条件」を以下の番号に沿って指定していきます。

HOME'Sの検索画面

①賃料の上限を指定する

手取り月収25%前後を目安として、あなたに合う上限額を指定しましょう。

このとき、家賃がお得な物件もヒットするように、下限は指定しないでおきましょう。

②「共益費・管理費を含む」にチェックを入れる

共益費と管理費は「家賃とは別に毎月払う費用」なので、チェックを入れて家賃上限を超えない物件だけを検索しましょう。

③専有面積を指定する

専有面積を指定して、最低限あって欲しい部屋の大きさを決めましょう。

狭い部屋も候補に入れて探したい人は、指定する必要はありません。

④間取りを指定する

希望の間取りにチェックを入れましょう。

間取りにこだわりがなく、さまざまな間取りの部屋を探したい人は、チェックを入れる必要はありません。

⑤駅までの時間を指定する

物件から駅までの希望時間を指定しましょう。

繰り返しになりますが、駅まで歩く場合は「10分以内」で指定する人が多いです。

一方で、家賃が安い物件を求める人や、自転車で駅まで通うという人は「指定なし」で探すようにしましょう。

⑥築年数を指定する

新築や築浅の物件を求める人は、希望の築年数を指定しましょう。

築年数にこだわらない人や、リノベーション物件を検討したい人は「指定なし」で探すようにしましょう。

⑦建物構造を指定する

地震に強い「マンション」に住みたい人は、「鉄筋系」にチェックを入れましょう。

特にこだわりがなく、アパートや戸建てでもいいという人は、どこにもチェックを入れずに探しましょう。

続けて以下のイメージに沿って、部屋の設備などでこだわりたい条件を指定していきます。

HOME'Sの検索画面

⑧部屋の設備を指定する

部屋にあって欲しい設備や、セキュリティ面でこだわりたい条件を指定しましょう。

まずは絶対に妥協できないものだけにチェックを入れて、探しはじめることが望ましいです。

⑨該当物件数をチェックする

ここまでの各項目の指定が完了したら、画面左下の「該当物件数」をチェックしましょう。

このとき、「50~100件」ぐらいになっているのが理想的です。

仮に10~20件ぐらいの場合、物件数が少なく比較検討しにくいので、最悪なくてもいいと思える設備や条件のチェックを外してみましょう。

一方で、該当物件数が200~300件と多い場合は、こだわりたい設備や条件を追加して、物件数を絞るようにしてください。

STEP3. ヒットした物件を確認する

以下のように、ヒットした物件の一覧から気になる物件をクリックして、詳細ページを確認しましょう。

HOME'Sの検索一覧画面

詳細ページに入ると以下のような画面に切り替わります。

HOME'Sの検索画面

間取りや写真を確認して「良さそう」と感じたときは、右上の「⭐︎」マークをクリックして、お気に入り登録しておきましょう。

分譲仕様ってなに?

「分譲仕様」というキーワードをわかりやすく表現すると、グレードの高い物件となります。

主に「分譲マンション」や「分譲住宅」という、オーナーが自身の居住目的に建てた、あるいは購入した、戸建てやマンションのことを指します。

一般的な賃貸物件の仕様にはない、グレードの高い住宅設備が揃っているのが特徴です。

STEP4. 気になる物件はすぐに問い合わせてみる

気になる物件が見つかったら、すぐにメールか電話で問い合わせて、実際に空きはあるか、内見はできるのか、確認しましょう。

HOME'Sの検索画面

というのも、HOME’S含め、賃貸サイトで募集されている物件の中には、既に満室の物件や申し込みが入ってる物件が数多く存在します。

なので、賃貸物件は実際に空いているか確認することが何よりも大切です。

申し込みが入ってる物件はダメなの?

既に申し込みが入っている物件は、先に申し込んでる人が「キャンセル」や「審査落ち」しない限り、あなたが契約できることはありません。

つまり、賃貸物件は「早い者勝ち」なので、先に申し込みできるか、できないかが勝負となります。

ですから、申し込みが入ってる物件は契約できる確率が低くなるので、候補から外すことが望ましいです。

問い合わせは電話がスムーズ

実際に問い合わせるときは、電話のほうがすぐに最新の空室状況を教えてくれるのでスムーズです。

電話するときは、「●●マンションの●●号室は空いてますか?」と聞くだけで大丈夫です。

電話するのが苦手という人は、メールで問い合わせて不動産会社からの回答を待ちましょう。

次の章で、内見するときの流れを解説していきます。

賃貸契約の具体的な流れ③|内見をする

気になる物件が空いていたら、不動産会社の担当者と日程を調整して内見に行きましょう。

また、内見は現地集合、現地解散が理想的なので、意味もなく不動産会社に行くのは避けるべきです。

そして、内見するときに下記10個の項目を必ずチェックしておけば、物件選びで失敗することはありません。

ネット上の物件情報だけではわからないことがたくさんあるので、項目ごとに詳しく解説していきます。

3-1. 部屋の日当たりをチェックする

ベランダや出窓から部屋の中に日は入るか、日当たりをチェックしましょう。

部屋の日当たりは生活する上で重要なポイントなので、内見は太陽が出ている日中に行くことが理想的です。

ただ、方角によっては日中でも暗いことがあるので、以下のイメージを参考に、東西南北それぞれの特徴を把握しておきましょう。

太陽の動きを表したイメージ

ちなみに、矢印のようなロゴと、Nと書いてあるロゴは、それぞれ方角を表しています。

見方としては、矢印の先端側とN側が「北向き」ということを覚えておきましょう。

北向き|日当たりが悪い

北向きの部屋は日当たりが悪いので、一番人気がない方角といえます。

夏場は涼しくて過ごしやすいですが、梅雨時期は湿気が溜まりやすく、冬場は非常に寒いです。

また、夏以外は洗濯物をベランダに干しても乾きにくい不便さもあります。

東向き|早朝から9時台の日当たりがいい

東向きの部屋は、早朝から9時台にかけて日が入ってきます。

つまり、朝起きてから家を出るまでの時間帯は日が入りやすいので、日中は仕事で家にいない人におすすめの方角です。

南向き|日中の日当たりがいい

南向きの部屋は、1日を通して一番長く日が入りやすい人気の方角です。

冬場でも太陽の日差しが入って部屋が暖かいので、日中はエアコンがなくても過ごせることが多いです。

一方で、夏場は暑くなりすぎることもあるので、遮熱タイプのレースカーテンを用意しておくことが望ましいです。

西向き|14時以降の日当たりがいい

西向きの部屋は、14時以降から日が入りはじめるので午前中は部屋が暗いです。

一方で、西日は日差しが強いので、夕方近くでも部屋が明るくなります。

3-2. ネット環境と電波をチェックする

インターネット回線の種類と、スマホや携帯の電波が問題なく入るか必ずチェックしてください。

電波は使っているスマホや携帯を見ればすぐにわかりますが、回線の種類は不動産会社の人に確認してもらいましょう。

また、ポケットWi-Fiを使っている人は、室内でWi-Fiの電波が入るか確認したほうがいいので内見に持っていきましょう。

光回線でも速度が100メガになることがある

光回線だと「1ギガ」の速度が一般的ですが、古い物件だと建物設備の問題で、光回線でも「100メガ」の速度になることがあります。

この点に関しては、入居後に光回線を契約するとき初めて知るケースが多いので、事前に確認しておきましょう。

3-3. 設備の動作をチェックする

部屋の設備として用意されているものがあれば、問題なく使えるかチェックしましょう。

特に、下記の設備などは必ずチェックしてください。

  • エアコン
  • 換気扇
  • 浴室乾燥機
  • 水道の水圧
  • 排水の流れ具合

物件によってはブレーカーが切れていたり、水道が出ないこともあるので、不動産会社の人に許可を取ってから確かめてみましょう。

仮に気に入った物件のエアコンが古くて壊れそうなときは、オーナーに交換してもらえないか不動産会社の人に聞いてもらいましょう。

3-4. 騒音が気にならないかチェックする

騒音問題はトラブルに繋がることが多いので、必ずチェックしておきましょう。

このとき、部屋から音が漏れやすいか、外の音が部屋に入ってくるかを知ることが大切です。

まずは室内で音楽を流して、玄関前とベランダから聞こえるかチェックしてください。

次に、不動産会社の人に協力してもらいながら、外からの音が部屋まで聞こえるかチェックしてみましょう。

楽器を演奏するなら持っていきましょう

楽器の演奏ができる物件を探しているときは、内見時に演奏する楽器を持っていくことが望ましいです。

ピアノは厳しいですが、ギターぐらいなら持っていけると思うので、部屋で音を出してみましょう。

3-5. 湿気でカビてないかチェックする

日が当たらない場所や、クローゼットや押入れなど、カビが生えていないかチェックしましょう。

部屋に入ったとき「湿気くさい」と感じたら要注意です。日当たりが悪いアパートでよくあるので、気を付けてください。

また、窓のサッシ部分に結露によるサビがないかもチェックしておきましょう。

3-6. テレビ線の端子やコンセントの位置をチェックする

家具家電をどこにどう置くか決めるために、テレビ線の端子やコンセントの位置をチェックしましょう。

また、パソコンを繋ぐLANケーブルの差し込み口も、どこにあるかチェックしておくべきです。

キッチン回りの高い位置にコンセントがある場合、そこに冷蔵庫を置くということを覚えておきましょう。

3-7. 部屋のサイズをチェックする

実際に内見した部屋が気に入ったら部屋のサイズを測りましょう。

メジャーは不動産会社の人に貸してもらえますが、稀に持っていない人もいるので、自分で用意しておくことが望ましいです。

そして、部屋以外にも下記のサイズを測っておきましょう。

  • 玄関ドアの幅・高さ
  • 通路の幅・高さ
  • 洗濯機置き場の幅・高さ・奥行き
  • 冷蔵庫置き場の幅・高さ・奥行き
  • カーテンの幅・高さ

上記のサイズを内見時に測っておくことで、後日採寸に行く手間が省けます。

また、サイズさえわかっていれば、インターネット通販で家具家電を買うときも困ることはないでしょう。

3-8. 窓や扉の立て付けをチェックする

古い物件だと隙間風が入ることが多いので、窓や扉の立て付けをチェックしましょう。

窓を閉めるときスムーズに鍵を閉めれるか、ドアを閉めるとき変な音がしないかなど、いろいろ試してください。

また、網戸に穴が開いていないかも一緒にチェックして、穴やキズが多いときはオーナーに交換してもらえないか、不動産会社の人に聞いてもらいましょう。

3-9. ゴミ捨てのルールをチェックする

ゴミ出しのルールは物件ごとに変わるので、必ずチェックしましょう。

また、区域によって分別方法や集荷の曜日が変わります。ゴミの処理に厳しい区域だと、細かく分別しないと収集してくれないので注意が必要です。

そして、ゴミ置き場が荒れてないかも必ずチェックしましょう。ゴミが散乱してたりする物件は管理が悪いと言えるので、できる限り避けるべきです。

3-10. 周辺環境をチェックする

内見時は物件だけでなく、周辺環境も必ずチェックしましょう。

駅までの道のりや時間のほか、自転車で通う場合は駅に自転車置き場はあるか、月額料金はいくらか、などもチェックが必要です。

また、生活する上で便利なお店は近くにあるかも重要なポイントです。下記は一般的にあると便利とされているお店の例です。

  • スーパーマーケット
  • ドラッグストア
  • 100円ショップ
  • クリーニング屋
  • 各種クリニックまたは病院
  • スポーツジム

治安の良し悪しもチェックすべき

特に女性の場合、治安の良し悪しは重要です。繁華街に近いエリアだと治安が悪いことが多いので注意しましょう。

土地勘がないエリアに住むときは、最寄駅の不動産会社に立ち寄って治安はどうか直接聞いてみるのもアリです。

ここまでが、内見するときにチェックすべき10個の項目です。

次の章で、申し込みをするときの流れや注意点を詳しく解説します。

賃貸契約の具体的な流れ④|申し込みをする

住みたいと思う物件が決まったら、入居申込書と必要書類を提出することで申し込みができます。

ただ、物件によって必要な情報や書類が異なるケースもあるので、一般的に必要なものをそれぞれ解説していきます。

4-1. 申し込みに必要な情報

入居申込書には、下記のように「申込者」と「連帯保証人」の情報をそれぞれ記入します。

申込者の情報
  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 電話番号
  • 配偶者(有・無)
  • 現住所
  • 居住年数
  • 居住形態(賃貸・社宅/寮・親元・その他)
  • 年収もしくは月収
  • 引越し理由(転勤・就職・更新・結婚・現住居手狭など)
  • 使用目的(住居・家族の住居・セカンドハウス・その他)
申込者の勤務先
  • 勤務先名
  • 勤務先所在地
  • 勤務先電話番号
  • 本社所在地
  • 代表電話番号
  • 代表者名
  • 勤務形態(公務員・正社員・会社役員・自営業・パート/アルバイト)
  • 勤続年数
  • 役職
  • 業種(製造・通信IT・サービス・小売・飲食など)
  • 従業員数
連帯保証人の情報
  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 電話番号
  • 続柄
  • 配偶者(有・無)
  • 現住所
  • 居住年数
  • 居住形態(自己所有・賃貸・社宅/寮・親元・その他)
  • 年収もしくは月収
連帯保証人の勤務先
  • 勤務先名
  • 勤務先所在地
  • 勤務先電話番号
  • 本社所在地
  • 代表電話番号
  • 勤務形態(公務員・正社員・会社役員・自営業・パート/アルバイト)
  • 勤続年数
  • 役職
  • 業種(製造・通信IT・サービス・小売・飲食など)
  • 従業員数

この通り求められる情報は多いですが、できる限り漏れなく記入できるように準備しておきましょう。

なぜかというと、未記入の項目が多いと申し込みを受け付けてもらえないからです。

ただ、連帯保証人の情報でわからない部分があるときは、一旦書ける情報だけ書いて提出して、判明次第すぐにメールやFAXで不動産会社に伝えましょう。

保証会社を利用するときは?

保証会社を利用するときは、基本的に連帯保証人が不要になるので「緊急連絡先」として身近な人を用意する必要があります。

緊急連絡先は契約者と連絡がとれないときに連絡が入るだけの役割なので、親族や知人など頼みやすい人にお願いしましょう。

下記は緊急連絡先の必要な情報です。

緊急連絡先の情報
  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 電話番号
  • 現住所
  • 続柄

入居申込書を書くときの注意点

申込書はとにかく丁寧に書くように心がけましょう。

なぜかというと、不動産会社やオーナーに与える印象が良くなるからです。

「字には性格が出る」とも言われるので、書き方が雑だったり字が汚いと「部屋も雑に扱われそう」とオーナーが不安を抱く恐れがあります。

4-2. 申し込みに必要な書類

入居申込書を提出したあと、遅くとも「3日以内」には下記の書類を不動産会社に提出しましょう。

一般的には契約者の書類だけで済みますが、物件によっては連帯保証人も同様の書類を求められるケースがあります。

そして、上記の書類が揃わないと申し込みは完了しません。また、提出が遅いとキャンセル扱いになる恐れもあります。

そうならないためにも、下記を参考にして事前に準備しておきましょう。

提出書類①|顔写真付の身分証明書

すべての物件で必ず求められる身分証明書は下記のいずれかを提出します。

  • 運転免許証
  • IC付マイナンバーカード
  • パスポート
  • 住基カード

提出するときはコンビニでコピーをとってもらうか、後日メールやFAXで送ります。データ送信が不安な人は郵送でも平気です。

また、上記の身分証を持っていないときは、「保険証+顔写真」を一緒に提出しましょう。

物件によっては保険証だけでいいこともあるので、内見する前に「顔写真は必要か」不動産会社に確認しておくことが望ましいです。

現住所が明記されているかチェックする

身分証に今住んでいる家の住所が明記されているかチェックしましょう。

人によっては賃貸で暮らしていても、住所が実家のままになっていることが割と多くあります。

その場合は電気ガス水道など、今住んでいる家に届いた公共料金の請求書などを一緒に提出しましょう。

提出書類②|収入を証明する書類

身分証と一緒のタイミングで収入を証明する書類も提出します。

物件によっては不要なケースもありますが、審査状況に応じてあとから求められることもあるので、下記どちらかの書類を用意しておきましょう。

源泉徴収票

源泉徴収票は1年間の収入額が記されたもので、会社から年末の前後にもらえる書類です。

手元にない場合は会社の担当部署に依頼して発行してもらいましょう。

以下は源泉徴収票のイメージ画像です。

源泉徴収票のイメージ

サラリーマンやアルバイトの人は源泉徴収票で問題ないですが、自営業やフリーランスの人は「確定申告書」もしくは「課税証明書」を提出しましょう。

給与明細3ヶ月分

就職や転職をして1年経たない人で源泉徴収票がない場合は、給与明細3ヶ月分で代用できます。

仮に給与明細が手元にないときは、毎月振り込まれた給与額が記帳された通帳のコピーを提出しましょう。

普段から通帳記帳していない場合でも、銀行ATMに通帳を入れるだけで簡単に記帳できます。

次の章で、審査でチェックされるポイントを詳しく解説していきます。

賃貸契約の具体的な流れ⑤|審査をする

繰り返しになりますが、賃貸の審査はオーナーの資産である物件を「あなたに貸して問題ないか」「家賃は払えるか」判断するために行われます。

つまり、審査に通らないと物件を借りることができないので、審査の基準や流れを把握しておくことが大切です。

ただ、審査の基準は不動産会社やオーナーによってバラバラなので、この章では下記の一般的な審査の「基準」と「流れ」を解説します。

5-1. 基準|年収が家賃の36倍を超えているか

審査で最も重要な基準になるのが、「年収が家賃の36倍」を超えているか・いないかという点です。

仮に申し込む物件が10万円の場合「10(家賃) × 36(倍) = 360(年収)となり、年収が360万円を超えていれば審査基準はクリアしていると言えます。

下記は年収ごとにわけた家賃上限の目安なので、物件を選ぶとき参考にしてください。

年収 家賃上限の目安
200万円 5.5万円
250万円 6.9万円
300万円 8.3万円
350万円 9.7万円
400万円 11.1万円
450万円 12.5万円
500万円 13.9万円
550万円 15.3万円
600万円 16.7万円
650万円 18.1万円
700万円 19.4万円
800万円 22.2万円
900万円 25万円
1,000万円 27.8万円

注意すべき点として、上記はあくまでも審査基準で考えた場合の家賃上限の目安です。

理想とされる家賃の目安は「手取り月収額の25%前後」ということを忘れないようにしましょう。

5-2. 基準|雇用形態が安定しているか

雇用形態も重要な基準となり、安定性のある公務員や正社員として雇用されているほうが審査は通りやすいです。

契約/派遣社員でも審査に通る可能性は大いにありますが、できるだけ避けたいとしているオーナーが多いのも事実です。

また、正社員で雇用されていても下記のようなケースだと審査に通りにくいです。

  • 勤続年数が1年未満
  • 設立したばかりの会社
  • 水商売がメインの会社
  • 仕事内容が不透明な会社

上記に該当する場合、年収が基準を超えていたとしても審査に落ちることがあります。

この点に関してはオーナーの考え方次第となるので、実際に審査をしてみないとなんとも言えません。

フリーランスや個人事業主の場合

自ら事業を営む人は、収入の浮き沈みが激しいことから審査も厳しくなります。

なので、不動産会社に相談した上で下記の書類を追加で提出しましょう。

提出するもの 提出する理由
  • 課税証明書
前年度の収入や所得の額を証明できる公的な書類だから。
※収入や所得が安定していれば2~3年分が理想
  • 納税証明書
定められた税金を納めているか証明できる公的な書類だから。
※未納がなければ2~3年分が理想
  • 預金額がわかる書類
滞納する恐れがないことをアピールするため。
※通帳コピーや残高証明書が望ましい
  • 事業案内
どんな仕事をして収入を得ているのかアピールするため。
※ホームページなどが望ましい
  • 取引実績
どんな会社と取引した実績があるのかアピールするため。
※請求書や過去の作品などが望ましい

オーナーにリスクが少ないと判断してもらうには、上記の書類や実績を開示するのがベストです。

5-3. 基準|過去に滞納歴がないか

主にクレジットカードや携帯電話料金のほか、スマホ端末の分割代金でも滞納歴があると、審査に落ちる恐れがあります。

すべての物件でチェックされるわけではないですが、審査に厳しい不動産会社やオーナーはチェックするので注意が必要です。

ただ、チェックできるデータは「直近5年分」と言われているので、5年以上前の滞納であればさほど気にすることはないでしょう。

信用情報は調べることができます

過去の滞納が気になる人は、スマホやパソコンから自分の信用情報を調べてみましょう。

費用は1,000円かかりますが、下記の「CIC」というサイトから手続きすれば簡単に確認できます。

CIC公式ページ:https://www.cic.co.jp

保証会社と契約するときは要注意

保証会社と契約するときは上記の滞納歴だけでなく、過去の家賃滞納も調べられることがあるので注意しましょう。

保証会社の審査は不動産会社やオーナーの審査より厳しいので、落ちてしまう人が多いです。

5-4. 基準|人柄や態度は問題ないか

人柄や態度は内見中に不動産会社の担当者が問題ないかチェックしています。

なぜかというと、オーナーが恐れる下記のリスクを犯しそうな人か見極めているからです。

  • 近隣トラブルのリスク
  • 設備を壊されるリスク

仮に人柄や態度が悪い人だと、他の住民とトラブルを起こしたり、設備を大切に扱ってくれなさそうと憶測で判断されます。

また、どんな人が内見したのか不動産会社に聞いた際に「人柄も態度も悪かったです」と言われれば、オーナーはその人に貸したくないと思うでしょう。

こういった流れで審査に落ちるケースもあるため、内見時の不動産会社に対する態度や接し方には注意しましょう。

保証会社と契約するときは電話連絡に要注意

保証会社と契約するときは、電話連絡の対応に注意しましょう。

というのも、保証会社はあなたに会うことなく審査するので、電話連絡のときに人柄や態度をチェックします。

このとき、知らない番号からの着信だからといって、横柄な態度を取らないようにしましょう。

5-5. 流れ|本人確認の連絡について

審査の段階で、不動産会社や保証会社から本人確認の連絡が入ることがあります。

確認される内容は入居申込書の情報に間違いはないか、といった程度なので簡単に終わります。

また、連帯保証人や緊急連絡先に連絡が入ったとき、「何も聞いてません」といった回答をされると審査に落ちる可能性があるので事前に伝えておきましょう。

着信が残っていたら必ず折り返す

確認連絡が完了しないと審査が止まって一向に結果が出ないので、着信が残っていたらなるべく早く折り返しましょう。

登録していない番号からの着信を拒否してる場合は、着信が入る番号を不動産会社に確認しておき、番号を事前に登録するか、拒否設定を解除しておきましょう。

また、連帯保証人や緊急連絡先の人にも同じように対応してもらいましょう。

本人確認の連絡があっても審査に落ちることがある

保証会社によっては、申し込みを受け付けた時点で確認連絡をする会社もあり、その後の審査で落ちることもあります。

なので、本人確認の連絡が入ったからといって安心はできません。

焦らずに不動産会社から審査結果の連絡が来るのを待ちましょう。

5-6. 流れ|勤務先への在籍確認について

不動産会社や保証会社によっては、勤務先に在籍しているか確認するために電話連絡をすることがあります。

在籍確認なので、本人が外出中でも勤めていることが確認できれば完了となります。

このとき、引越しや契約に関する内容は話されないため、引越すことを職場の人に知られる可能性は低いです。

ただ、どうしても職場に電話してほしくない人は、申し込むときに下記のいずれかを提出するようにしましょう。

  • 勤務先名が明記されている健康保険証のコピー
  • 顔写真付きの社員証のコピー(名刺は不可)
  • 担当部署に発行してもらう在籍証明書

すべて提出すれば在籍確認される可能性は限りなく低くなりますが、絶対とはいえないので注意しましょう。

在籍確認が来たときの対処法

在籍確認が入り、職場の人から「・・さん宛に電話きたけど、なにか心当たりある?」のように聞かれた際は、下記のように答えるのが理想的です。

  • クレジットカードを新たに作った
  • 銀行口座を新たに作った

どちらも在籍確認されることが多い内容なので、引越しと気付かれることなく理解してくれるでしょう。

5-7. 流れ|追加で求められる書類について

不動産会社や保証会社の審査で、「この人と契約するのはリスクがありそう」と判断されると、追加で下記の書類を求められるケースがあります。

求められる書類 求められる理由
  • 通帳のコピー
年収が低いと判断されたからです。
ただ、家賃1~2年分の預金があれば家賃滞納する可能性も低いため、審査に通る可能性が高いです。
  • 課税証明書
  • 納税証明書
怪しい職業と判断されたからです。
年収に虚偽はないか、税金をきちんと納めているか確かめるために、役所で発行する公的な証明書を求められます。

年収に虚偽がなく税金も納めていれば、審査に通る可能性が高いです。

追加で書類を求められるときは、審査に通そうとしている証拠です。なので、求められたらなるべく早く提出するようにしましょう。

また、通帳が手元にない人や、ネット銀行だから通帳がないという人は、下記の項目がわかるネット上の画面を印刷して提出するか、画像をメールで送りましょう。

  • 氏名
  • 口座番号
  • 預金残高

5-8. 流れ|連帯保証人の追加について

保証会社と契約することで基本的に連帯保証人は不要になりますが、場合によっては連帯保証人を追加で求められることがあります。

なぜかというと、保証会社が立て替えた家賃を契約者から回収できないリスクがあると判断されたからです。

通常、家賃を滞納したときは以下のような流れになります。

家賃を滞納したときの流れ

上図の「③立替金請求」のときに、契約者がお金を払えないと保証会社は立替金を回収できません。

保証会社は少しでもリスクを減らしたい

このとき、連帯保証人がいれば保証会社は連帯保証人に請求できるため、立替金の回収ができないリスクが少なくなります。

つまり、保証会社は以下のような流れにするために、連帯保証人を追加してほしいと求めてくるのです。

連帯保証人を含めた家賃滞納時の流れ

保証会社としては、「連帯保証人を用意できるならOKですよ」といったスタンスなので、契約できる確率はまだ残っている状況です。

ただ、連帯保証人を用意できない場合は審査に通る術がなくなるので、別物件に切り替えるか、別の保証会社に切り替えるしか方法はありません。

このとき、別物件に切り替えても契約する保証会社が一緒だと、同様に落ちる可能性が高いので注意しましょう。

5-9. 流れ|審査にかかる期間について

繰り返しになりますが、審査にかかる期間は一般的に「1~7日」が目安となっています。

これまでに解説してきた、基準をクリアしているかの審査や本人確認の連絡など、オーナー側がやることは満載です。

また、法人オーナーだと会議などで責任者の承認をとるケースがあるので、下記のように期間が長くなります。

オーナー 審査期間
個人 1~3日
法人 3~7日

連絡のやり取りにも時間がかかる

審査結果は出ているものの、オーナーと不動産会社のやり取りで時間がかかることが多いです。

また、オーナーと不動産会社以外にも、保証会社や不動産仲介会社が絡むと余計に時間がかかります。

なので、連絡が来ないからと言って焦ることなく、1週間は気ままに待ってみましょう。

5-10. 流れ|審査に通ったあとについて

繰り返しになりますが、審査に通ったあとは下記のスケジュールを不動産会社と相談して決めます。

  • 契約締結日けいやくていけつび|契約書にサインする日
  • 契約開始日けいやくかいしび|家賃が発生する日

契約締結日は審査承認の連絡をもらった日から「7~10日後」、契約開始日は「10~14日後」あたりで設定するのが一般的な流れです。

そして、上記のスケジュールが決まれば正確な初期費用を計算できるので、不動産会社から請求書が送られてくるのを待ちましょう。

引越し業者を選んで契約する

契約開始日が決まったら、引越し業者を選んで契約しましょう。

このとき、引越し比較サイトの一括見積もりサービスを使えば、料金の安い業者から高い業者まですぐに確認できます。

そして、毎年3~4月は引越し業者が1番忙しい時期で業者の確保が難しいため、できるだけ早く契約することが望ましいです。

また、引越し日の3日前までならキャンセル料は0円なので、万が一賃貸契約をキャンセルすることになっても安心です。

次の章で、契約するときに必要なものについて詳しく解説します。

賃貸契約の具体的な流れ⑥|必要なものを用意する

審査に通ったあとは、契約締結日までに下記の契約に必要なものを用意します。

物件によっては不要なこともありますが、一般的に必要となることが多いので詳しく解説していきます。

6-1. 役所で発行する住民票

契約するとき必要になるのが役所で発行する住民票です。

住民票は3ヶ月以内に発行された原本が必要となり、基本的に用意するのは契約者だけで連帯保証人の住民票は不要です。

また、”今住んでいる住所”が記載された住民票が必要なので、必ず”引越す前”に用意しましょう。

発行するときの注意点

住民票を発行するときに「マイナンバー」「本籍」「続柄」の記載は必要か確認されますが、マイナンバーは記載しないで発行してください。

「本籍」と「続柄」はオーナーによって必要としているケースがあるので、不動産会社に確認してみましょう。

また、1人暮らしであれば入居者の名前だけのもの(抄本・一部事項証明)を、2人以上が暮らすときは全員分の名前が記載してあるもの(謄本・全部事項証明)を発行してください。

印鑑証明書はいらないの?

一般的に、印鑑証明書を用意するのは連帯保証人だけなので、契約者の印鑑証明書はいりません。

要するに、連帯保証人を立てて契約するときは必ず必要になるので、事前に用意してもらいましょう。

また、印鑑証明書は押印された印鑑が実印であるか確認するための書類なので、実印とセットで用意してもらいましょう。

6-2. 部屋を借りるための初期費用

不動産会社から請求書が送られてくるので、入金期日までに部屋を借りるための初期費用を用意しましょう。

一般的には契約が完了したあとに支払いますが、東京だと契約する日の前日が期日になっていることが多いです。

繰り返しになりますが、契約前に支払うお金はすべて「預かり金」の名目になるので、万が一キャンセルしたときは全額返金されます。

6-3. 銀行で登録した印鑑

家賃が「口座引落とし」の契約だと、銀行で登録した印鑑が必要です。

家賃支払いが「銀行振込」のときは不要ですが、払い忘れを防げる引落としの契約が圧倒的に多いので、事前に用意しておきましょう。

また、銀行で登録した印鑑がどれかわからないときは、候補となる印鑑をすべて持参して銀行窓口で調べてもらいましょう。

契約書に押印する印鑑も必要

契約書に押印する印鑑も必要ですが、上記の銀行で登録した印鑑と一緒でも平気です。

ただ、契約者の印鑑証明書が必要な場合は、印鑑証明書に登録されている実印が必要となるので注意しましょう。

また、インクが本体に内蔵されたシャチハタ印はNGなので、朱肉につけて押印するタイプの印鑑を用意してください。

印鑑の種類を表したイメージ

引用:楽天市場

以上のものを用意すれば、あとは契約を済ませるだけです。

次の章で、契約するときの流れや注意点を詳しく解説します。

賃貸契約の具体的な流れ⑦|契約をする

一般的な流れとしては「重要事項説明」を受けたあと、契約書にサインをして契約します。

このとき、契約内容についてわからないことがあれば遠慮なく質問して確認することが何よりも大切です。

ただ、細かい契約内容を一気に説明されると理解するのも大変なので、下記の項目は事前にどんな内容なのか把握しておきましょう。

上記の内容を把握しておくだけで、入居中だけでなく、更新や退去するときに「知らなかった…」と後悔することがなくなります。

この章では、項目ごとの確認すべき点や注意点などを詳しく解説します。

7-1. 家賃の支払い方法と期日について

家賃の支払い方法と期日は物件により異なりますが、一般的には下記2つのパターンが多いです。

  1. ●●日に口座引き落とし
  2. 月末までに銀行振り込み

口座引き落としは便利ですが、引き落とし日の前日までに家賃を口座に入金しておく必要があります。

一方で、銀行振り込みの場合は忘れてしまうことが多いので、自動で指定口座に振り込まれる設定にしておくと便利です。

家賃の支払いを忘れるとどうなるの?

支払いを忘れたぐらいで解約にはなりませんが、何度も支払い忘れたり、数ヶ月分の家賃を滞納していると解約になる可能性があります。

また、契約条件によっては「●ヶ月滞納が続くと解約になる」と定められているケースもあるので注意しましょう。

7-2. 契約形態について

賃貸の契約形態は主に下記2つのどちらかで契約することが一般的です。

契約形態 どんな契約?
  • 普通借家契約ふつうしゃっかけいやく
借りる人が有利な契約です。
オーナーに特別な事情がない限り、契約を更新することで住み続けることができます。
  • 定期借家契約ていきしゃっかけいやく
オーナーが有利な契約です。
更新ができない期間限定の契約で、契約期間が終了すると退去しなければいけません。

全国的にも9割以上の物件が「普通借家契約」ですが、東京だと「定期借家契約」の物件が徐々に増えてきています。

仮に契約する物件が定期借家契約だった場合、更新することができないので一度冷静になって考え直してください。

ただ、オーナーの同意があれば「再契約」することで住み続けることもできるので、再契約型かどうかを不動産会社に確認しましょう。

契約形態は物件の募集ページで確認できる

契約形態は物件の募集ページで確認できるので、内見する前にチェックしておくことが理想的です。

契約のタイミングで「更新できない」ことを知らされても、後戻りできないケースが多いので注意しましょう。

7-3. 物件内で禁止されている内容について

どの物件でも禁止されている内容が定められていて、下記に関することが禁止となってるケースが多いです。

  • ペットの飼育
  • 楽器の演奏
  • 民泊としての利用
  • 第三者への転貸
  • 鍵の造作・設置

上記の中でも注意すべきなのが「鍵の造作・設置」に関することです。

最近では自分ですぐに取り付けられる暗証番号式の鍵もありますが、契約書で禁止されているケースが多いので注意しましょう。

なぜかというと、暗証番号を共有することで誰でも簡単に入退室できてしまうからです。つまり、民泊を警戒しているのです。

民泊とは

民泊は、所有している又は賃貸で借りている部屋をネットを通じて第三者に貸し出すビジネスのことを指します。

海外からの旅行者が利用することが多く、生活マナーの問題から「民泊禁止」にしている物件が多いです。

発覚したら解約を迫られる

禁止事項に反することが発覚すると、解約を迫られるので注意が必要です。

鍵の造作だけであれば取り外しを求められる程度かもしれませんが、民泊の場合は即刻解約を迫られます。

7-4. 入居後の連絡先について

契約するまでは不動産会社の担当者に連絡すればなんでも解決しますが、入居後は物件を管理している管理会社が窓口になります。

契約書には管理会社の名前と電話番号が記載されているので、必ずチェックして携帯にメモを残しておきましょう。

また、部屋に関することはA会社、建物に関することはB会社のように分かれているケースもあります。

7-5. 保証会社の内容について

保証会社を使うときは、家賃を滞納してしまったときのペナルティや、更新するときの料金を必ず確認しましょう。

会社によっては、1年間の滞納回数に応じて更新料が家賃1ヶ月分まで高くなるケースもあります。

また、保証会社との契約は物件の契約とは別口になり、細かく説明されない可能性もあるので注意が必要です。

保証会社は家賃滞納に厳しい

保証会社は、3ヶ月連続で滞納が続くと訴訟手続きを開始するほど、家賃滞納に厳しいです。

また、保証会社を利用して家賃を滞納すると滞納履歴が残り、今後の入居審査に影響が出る恐れがあるので注意しましょう。

7-6. 更新時の費用について

契約を更新するときは「更新料」を支払うケースが一般的ですが、実際にトータルでいくらかかるのか確認しましょう。

というのも、賃貸契約の更新料とは別に、下記の更新料が必要となるケースが多いです。

名目 どんな費用?
  • 更新料
賃貸契約を更新するための費用
相場は2年ごとに「新賃料1ヶ月分」
  • 火災保険料
火災保険を更新するための費用
相場は2年ごとに「1~2万円」
  • 年間保証料
保証会社との契約を更新するための費用
相場は1年ごとに「1万円」又は「賃料10%」
  • 安心サポート
オプションサービスを更新するための費用
相場は2年ごとに「1~2万円」

仮に上記の更新がすべて必要な場合、賃貸契約の更新料とは別に「3万円以上」かかることになります。

なので、賃貸契約の更新料だけでなく「トータルでいくらかかりますか?」と確認しましょう。

更新料の相場は地域で異なる

賃貸契約の更新料の相場は地域ごとに異なり、全国的には「0~0.3ヶ月分」が多いですが、首都圏だと「0.5~1ヶ月分」が相場です。

また、地域は「関東と関西」のような分け方ではなく、以下のように都道府県ごとに変わります。

更新料の設定割合を示した全国マップ

上記のマップは「国交省」と「東急住宅リース」が発表してる調査資料をもとに作成していますが、あくまでも平均値です。

例えば、北海道でも「更新料:1ヶ月」の物件はあるので注意しましょう。

7-7. 解約の手続きについて

解約するときは、いつまでに手続きすればいいのかを必ず確認しましょう。

というのも、賃貸契約では「解約予告期間かいやくよこくきかん」が決められていて、一般的に多い「1ヶ月前予告」なら、解約したい日の1ヶ月前に申請する必要があります。

この場合、契約が終了するのは申請した日から1ヶ月後です。つまり、申請した日から1ヶ月間は物件に住んでいなくても家賃がかかります。

違約金について

契約条件によっては解約するときに違約金がかかるので、違約金の有無を必ず確認しましょう。

一般的に多いのは「1年未満の解約で違約金1ヶ月」ですが、下記のようなケースも見受けられます。

  • 1年未満の解約で違約金1ヶ月、2年未満の解約で違約金0.5ヶ月
  • 1年未満の解約で違約金2ヶ月、2年未満の解約で違約金1ヶ月

上記の「●ヶ月」は家賃のことを意味しています。

また、この違約金のことを「短期解約違約金たんきかいやくいやくきん」と言います。

7-8. 敷金の精算について

敷金の精算は1番トラブルになりやすいので、解約後にハウスクリーニング費用は差し引かれるのかなど、必ず確認しましょう。

多くの場合、部屋の大きさに応じて差し引かれるクリーニング費用が決まっています。

一般的な相場は下記のとおりです。

間取り 相場
1R ~ 1K 25,000~40,000円
1LDK ~ 2LDK 40,000~70,000円
3LDK以上 70,000~100,000円以上

契約条件でクリーニング費用の負担が決まっている場合、どんなに部屋をきれいに使っても上記の金額が無条件で差し引かれます。

また、クリーニング業者はオーナーが指定することが一般的なので、あなたが料金の安い業者を選ぶことはできません。

不注意による傷や汚れはさらに負担が増える

故意や不注意による傷や汚れがある場合、元に戻すための「原状回復費用げんじょうかいふくひよう」を敷金から差し引かれるので、さらに負担が増えます。

この費用はハウスクリーニング費用とは別で差し引かれるので、特に注意が必要です。

下記は国土交通省の「ガイドライン」で定められている、入居者が負担する内容なので参考にしてください。

箇所 具体的な内容

(畳・フローリング・カーペットなど)
・カーペットに飲み物等をこぼしたことによるシミ、カビ
・冷蔵庫下のサビ跡
・引越作業等で生じた引っかきキズ
・雨が吹き込んだことで発生したフローリングの色落ち
壁・天井
(クロスなど)
・日常の清掃を怠ったための台所の油汚れ
・結露を放置したことで拡大したカビ、シミ
・クーラーから水漏れし、賃借人が放置したため壁が腐食
・タバコ等のヤニ、臭い、変色
・壁等のくぎ穴、ネジ穴
・賃借人が天井に直接つけた照明器具の跡
・落書き等の故意による毀損
建具等、襖、柱等 ・ペットによる柱等のキズ・臭い
・落書き等の故意による毀損
設備、その他 ・ガスコンロ置き場、換気扇等の油汚れ、すす
・風呂、トイレ、洗面台の水垢、カビ等
・日常の不適切な手入れもしくは用法違反による設備の毀損
・鍵の紛失または破損による取替え
・戸建住宅の庭に生い茂った雑草

上記の中でも太文字で記してある内容は、原状回復費用として差し引かれるケースが多いので注意しましょう。

敷引きと償却について

敷引きと償却は、解約時に敷金から無条件で差し引かれる金額を定めた条件なので、敷引きと償却の有無も確認しましょう。

仮に「敷金:2ヶ月|敷引き:2ヶ月」の契約条件だと、解約時は敷金が1円も返金されません。

以上が把握しておくべき契約内容ですが、実際に説明されてもわからないことがあれば何度でも質問して確認しましょう。

そして、きちんと納得できたら契約書にサインして契約を完了させましょう。

Q. 初期費用はどうやって支払うの?

不動産会社によって対応が異なりますが、基本的には銀行振り込みで支払います。

場合によっては契約したあと現金で支払うケースもあるので、事前に不動産会社に確認しておくことが望ましいです。

次の章で、物件の引き渡しの流れを解説していきます。

賃貸契約の具体的な流れ⑧|物件の引き渡し

契約と初期費用の支払いが完了したら、契約開始日の前日もしくは当日に部屋の鍵を受け取ることができます。

基本的には不動産会社に行って受け取りますが、場合によっては郵送で送ったり、現地で受け取れるケースもあります。

鍵を受け取ったからといって終わりではなく、このあとにもやるべきことや注意すべき点があるので、詳しく解説していきます。

8-1. 室内に汚れや傷がないかチェックする

部屋に入って最初にやることは、室内に汚れや傷がないかチェックすることです。

この作業を怠ると、あなたが入居する前からあったはずの汚れや傷が、あなたがつけたものと認識されてしまいます。

そうなると、退去時に原状回復費用を敷金から差し引かれてしまい、返ってくるはずのお金が少なくなるので注意しましょう。

現況確認書を作成する

不動産会社で契約するとき又は鍵を受け取るときに「現況確認書」をもらえるので、細かすぎるぐらいのレベルで作成しましょう。

不動産会社によって書式は異なりますが、現況確認書は以下のような書類なので、例を参考に作成しましょう。

現況確認書のイメージ

また、提出期限は契約開始日から「7~10日以内」と定められていることが多いので、後回しにしないようにしましょう。

8-2. 設備の取扱説明書を保管する

部屋の中に以下のような設備の取扱説明書が用意されていたときは、必ず保管するようにしましょう。

各種設備の取扱説明書

なぜ保管するのかというと、退去するときに返す必要があるからです。

仮に失くしてしまった場合、オーナー次第では費用を請求されるので注意しましょう。

ちなみに、積水ハウスのシャーメゾンシリーズだと、退去するときに「8,000円(税別)」も請求されます。

Q. お隣さんへのご挨拶はしたほうがいいの?

小さい子どもがいるファミリーであれば、騒音などで迷惑をかける恐れがあるので、お隣や下階の人に挨拶することが望ましいです。

一方、1人暮らしであれば廊下ですれ違ったときに挨拶する程度でいいでしょう。

ここまでが、賃貸契約の具体的な流れですので、実際に賃貸を契約するときは参考にしてみてください。

次の章で、すべての人が引越すときにやるべき手続きを解説していきます。

番外編①|引越すときにやるべき手続き

引越すときはやるべき手続きがたくさんあるので、下記の流れに沿って詳しく解説していきます。

役所関係の手続きを一度で済ませられるように、事前に流れを把握しておきましょう。

9-1. 別の市区町村に引越すときは転出届を出す

今住んでいる市区町村から別の市区町村に引越すときは、役所で転出届を出しておきましょう。

そうすることで、引越したあとに今住んでいる市区町村の役所に行く手間が省けます。

役所の窓口で必要なもの

  • 身分証明書
  • 印鑑
  • 印鑑登録証カード ※登録者のみ
  • IC付マイナンバーカード・通知カード

転出届を出すと「転出証明書」をもらえるので、引越し先の役所に提出するときまで、必ず保管しておきましょう。

また、転出届は引越す日の「14日前」から申請できるので、契約に必要な住民票を役所で発行するときに併せて申請することが望ましいです。

このときの注意点としては、必ず住民票を発行した後に転出届を出してください。先に転出届を出してしまうと、住民票が発行できなくなります。

国民健康保険に加入している人は同時に手続きする

国民健康保険に加入している人は、転出届の手続きと併せて国保の「資格喪失手続き」を済ませておきましょう。

窓口で「国民健康保険の変更手続きもしたいです!」と伝えればスムーズに案内してくれるので、保険証を持参しましょう。

9-2. 電気ガス水道の手続きをする

引越す前でも事前に手続きできるので、電気ガス水道の停止・開始手続きをしましょう。

既に賃貸暮らしの場合は今住んでいる部屋の停止手続きと、新しく住む部屋の開始手続きをします。

一方で、実家や寮から出て賃貸に住むときは開始手続きだけです。

手続きはWebか電話で完了するので、下記を参考に余裕を持って対処しましょう。

項目 主要な会社 Webから 電話から
電気 東京電力 手続きページ 0120-995-005
関西電力 手続きページ 0800-777-8810
中部電力 手続きページ 0120-921-691
東北電力 手続きページ 0120-175-266
九州電力 手続きページ 0120-623-376
ガス 東京ガス 手続きページ 0570-002-211
東邦ガス 手続きページ 0570-015-456
大阪ガス 手続きページ 0120-0-94817
西部ガス 手続きページ 0570-000-312
水道 東京都水道局 手続きページ 03-5326-1100
名古屋水道局 手続きページ 052-884-5959
大阪市水道局 手続きページ 06-6458-1132
札幌水道局 手続きページ 011-211-7770

ガスは入居後に立ち会いが必要

ガスは入居後に作業員が室内に入って開通する作業が必要なので、来てほしい希望日時を伝えて事前に予約をとります。

このとき、引越し当日に来てもらうことが理想的なので、早めに予約することが望ましいです。

また、ガスが開通しないとお湯が出ないケースもあるので、忘れないように注意しましょう。

火災保険の手続きもしたほうがいい

既に賃貸に住んでいる人は、火災保険の会社にも連絡して引越すことを伝えましょう。

契約プランによっては保険料が返金されるケースもあります。

9-3. インターネット回線の契約手続きをする

引越し先でインターネット回線を利用するときは、開通工事に時間がかかることが多いので、早い段階で契約手続きを済ませましょう。

このとき、どの回線を契約すればいいかわからないときは、不動産会社に回線の種類を確認してください。

また、物件によっては無料で使えるWi-Fi設備が導入されているケースがあります。

この場合は契約手続き不要でインターネットを利用できるので、無駄な契約をしないように注意しましょう。

9-4. 引越したあとに転入届・転居届を提出する

引越したあとは転入届もしくは転居届を提出しますが、下記の状況に応じてそれぞれ対応が分かれます。

同じ市区町村から引越してきたとき

同じ市区町村から引越してきたときは、「転居届」を窓口に提出すれば住民票の住所が変更されます。

窓口で必要なもの

  • 身分証明書
  • 印鑑 ※ゴム印は不可
  • IC付マイナンバーカード・通知カード ※入居者全員分

このとき、転居届には引越し先の住所を書くので、忘れないように新住所を携帯にメモしておきましょう。

また、国民健康保険に加入している人は、同時に保険証の住所変更手続きもしましょう。

窓口で「国民健康保険の住所も変更したいです!」と伝えればスムーズに案内してくれるので、保険証を持参しましょう。

別の市区町村から引越してきたとき

別の市区町村から引越してきたときは、前に住んでいた市区町村の役所で発行してもらう「転出証明書」が必要です。

既に手元にある場合、役所で「転入届」を記入して窓口に提出すれば住民票の住所が変更されます。

窓口で必要なもの

  • 身分証明書
  • 印鑑 ※ゴム印は不可
  • 転出証明書
  • IC付マイナンバーカード・通知カード ※入居者全員分

このとき、転入届には引越し先の住所を書くので、忘れないように新住所を携帯にメモしておきましょう。

転出証明書がない場合は、引越し前の役所に行って「転出届」を提出することで、転出証明書を発行してくれます。

郵便でも対応できますが、7~10日ほどかかります。

国民健康保険の手続きも済ませる

国民健康保険に加入している人は、転入届と併せて手続きしましょう。

既に「資格喪失手続き」をしているときは、加入手続きをするだけで完了です。

一方で「資格喪失手続き」をしていないときは、引越し前の役所で「資格喪失手続き」を済ませる必要があります。

9-5. 運転免許証の住所変更をする

引越し先の最寄りにある下記の施設で免許証の住所変更をしましょう。

  • 警察署
  • 運転免許試験場
  • 運転免許更新センター

上記の中でも、数が一番多い警察署で手続きするのが楽なのでおすすめです。

窓口で必要なもの

  • 免許証
  • 引越し先の住所がわかるもの
    (新しい住民票・新住所の健康保険証など)※住民票はマイナンバーの記載がないもの

流れとしては、役所で手続きしたあと警察署に立ち寄って手続きするのがスムーズです。

9-6. 郵便物の転送手続きをする

前の家に届いた郵便物を転送してもらうために、郵便局で転送手続きをしましょう。

窓口で必要なもの

  • 身分証明書(免許証や保険証など)
  • 前の住所が確認できるもの(免許証や公共料金のはがきなど)

流れとしては、警察署で免許証の住所変更をしたあと郵便局で手続きするのがスムーズです。

免許証には前の住所と新しい住所が載っているので、他の書類を用意する必要がありません。

また、転送期間は1年間となるので、期間中に転送されてきた郵便物はそれぞれ住所変更の手続きをしましょう。

Webからも申請できる

スマホやパソコンから「e転居」という郵便局のサービスを利用すれば、Webから簡単に転送手続きができます。

ただ、確認の電話をする必要があるので、自由に電話ができるときに申請しましょう。

9-7. 会社に住所が変わったことを伝える

会社勤めで社会保険に加入しているときは、会社の担当部署に住所が変わったことを伝えましょう。

また、前の住所のほうが通勤手当が高いからと、引越したことを黙っているのはNGです。

なぜかというと、住民税の関係で引越したことがすぐにバレてしまうからです。

9-8. そのほかに必要な手続きはないか確認する

これまでに解説してきた手続き以外にも、人によってはさらにやるべき手続きがあります。

下記の項目に該当するときは住所変更の手続きが必要なので、忘れないように注意しましょう。

項目 手続きするとき
車やバイクを所有している 役所・運輸支局・警察署
子どもが保育施設・学校に通っている 役所・保育施設・学校
児童手当をもらっている 役所
妊娠中や出産後の状態 役所
犬を飼っている 役所、保健所
クレジットカードを持っている Web・電話
銀行口座も持っている 銀行窓口・Web・電話

役所で手続きするときは、係の人に「引越すので●●の手続きをしたい!」と、該当する項目を伝えれば案内してくれます。

ここまでを終えれば、賃貸の契約から引越しの手続きまで完了となるので、残すは部屋の荷物整理のみです。

次の章では、何らかの事情で契約をキャンセルしたいときの対応について解説します。

番外編②|賃貸契約のキャンセルについて

賃貸契約のキャンセルは、タイミングを間違えると多額の費用を請求される恐れがあるので注意が必要です。

キャンセルのタイミングとしては、契約書にサインする「前」か「後」かで下記のように対応が異なります。

この基本的なルールを知らないと、悪徳な不動産会社に騙されたりします。

実際にキャンセル関連のトラブルは多発しているため、きちんとルールを理解しておくことが何よりも大切です。

詳しい内容をそれぞれ解説していきます。

10-1. 契約書にサインする前はキャンセル可能

既に審査結果が出ている状況でも、契約書にサインする前であれば「契約が成立していない」のでキャンセルできます。

法律上は契約書がなくても契約は成立しますが、不動産会社を介して物件を契約するときは契約書の取り交わしが必須です。

そのため、一般的な賃貸の契約では契約書にサインをしたかどうかが重要になるのです。

賃貸物件を借りるときにサインする書類は主に3つ

申し込みから契約までの過程で考えると、主に下記3つの書類にサインをしますが、賃貸借契約書ちんたいしゃくけいやくしょ」にサインする前であればキャンセルできます。

書類 サインするタイミング
入居申込書 申し込むとき
重要事項説明書 契約するとき
賃貸借契約書 契約するとき

一般的な契約の流れとしては、重要事項説明を聞いたあと「重要事項説明書」と「賃貸借契約書」にそれぞれサインをします。

要するに、重要事項説明を聞いて「納得できないこと」や「予定と違ったこと」などがあった場合、この時点であればまだキャンセルできます。

申込金も返金される

申し込むときに申込金を払っていたとしても、キャンセルすれば返金されます。

この点に関しては不動産業の法律である宅建業法で「キャンセル時は預かった金銭の返金を拒んではいけない」と定められています。

宅地建物取引業法施行規則 – 第16条の12第2号

宅地建物取引業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと。

返金方法は不動産会社によっては変わりますが、銀行振り込みが一般的です。

仮に店舗での返金を求められたら、「振込手数料はこちらが負担するので指定の口座に振り込んでください」と伝えれば店舗に行く手間は省けます。

10-2. 契約書にサインした後は契約解除になる

契約書にサインした時点で契約が成立したことになるので、キャンセルではなく契約解除になります。

また「契約開始日」を迎えていないときや、鍵をもらっていないときでも契約解除になります。

そして、初期費用として支払った「礼金」や「仲介手数料」などのお金は返金されず、条件によっては違約金を請求されることもあります。

契約は慎重にすることが大切

契約書にサインする「前」と「後」では対応が一変するので、契約は慎重にすることが何よりも大切です。

また、上記はあくまでもキャンセルするときの「基本的なルール」です。

ごく稀にですが、キャンセル料を請求される危険もあるので、実際にキャンセルするときは下記の記事を確認してください。

まとめ.

賃貸契約の流れについて解説してきましたが、いかがでしたか。

賃貸を契約するときの基本的な流れは、大きく分けると下記の3つになります。

まずは上記の流れを頭に入れておき、実際に物件を借りるときは以下の流れに沿って契約まで完了させましょう。

賃貸契約の流れを表したイメージ

このとき、賃貸を契約するのが初めてだからといって、すべてを不動産会社に任せるのは絶対にやめましょう。

この記事で解説してきたポイントを把握しておけば、不動産会社に頼ることなく物件を借りることができるので、必ず参考にしてください。

あなたがこの記事を読んだことで、希望の物件をスムーズに契約できることを心から願っています。

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