「保証会社の審査って厳しいの?」「どうすれば審査に通る?」など、保証会社の審査について気になっていませんか?
保証会社の審査は、オーナーや不動産会社の審査に比べると厳しいですが、基本的な基準さえクリアしていれば問題なく通ります。
このページでは、長年不動産仲介の営業として働いてきた筆者が、下記の流れで保証会社の審査について解説していきます。
このページをすべて読めば、保証会社が審査をする理由から、重要なポイントまでわかるので、審査に落ちることなく物件を借りられます。
1. そもそも保証会社が審査をする理由は?
賃貸を借りるときはオーナーと契約するための審査が必要ですが、保証会社を利用するときは保証会社と契約するための審査が必要になります。
堅苦しい名目になりますが、オーナーとの契約は「賃貸借契約」、保証会社との契約は「保証委託契約」と、契約が2つに分かれています。
つまり、入居者と保証会社は直接契約することになるので、面倒な審査が必要となるのです。実際の構図としては以下のようになります。
このように、賃貸を借りるときは「オーナーの審査」と「保証会社の審査」が必要なことがわかったところで、保証会社の審査について詳しく解説していきます。
1-1. 保証会社の審査は厳しいの?
繰り返しになりますが、オーナーや不動産会社より審査基準が厳しいことは確かです。
ただ、それぞれの保証会社で審査基準は異なるため、「一概に保証会社の審査は厳しい」とは言えません。
また、保証会社は下記4つのグループに分けられているので、このグループの会社は厳しい、このグループの会社は甘い、といった判断ができます。
グループ | 審査のレベル |
CIC | 厳しい |
LICC | 普通 |
LGO | 甘い |
独立系 | 甘い |
上記の「CIC」という審査が厳しいグループには、信販系と呼ばれるクレジットカード会社が運営する保証会社が属しています。
よく聞く、「保証会社の審査に落ちた…」という人は、信販系の保証会社で審査をした人が多いです。
つまり、信販系以外の保証会社であれば比較的審査は通りやすいです。そして、保証会社は200社以上存在しますが、信販系の保証会社は10社程度しかありません。
なんで数が少ない信販系の保証会社を使うの?
数が少ない信販系保証会社を使う理由は、審査能力が他社より優れているからです。
信販系の保証会社は、今も昔もクレジットカードの入会審査を本業としているので、審査に関するノウハウや過去のデータが蓄積されています。
そして、オーナーは厳しい審査をクリアした人に入居してほしい、といった意向があるため、信販系の保証会社を利用することが多いのです。
クレジットカードを作れる人なら心配ない
あくまでも保証会社の中では審査が厳しいという話なので、クレジットカードを作れている人であればさほど心配は入りません。
ただし、滞納歴がなく、家賃と収入のバランスが取れていることが前提となります。詳しくは「3章:保証会社の審査に落ちた人に共通する3つのポイント」で解説します。
1-2. 審査が甘い保証会社を選ぶことはできる?
入居者が審査の甘い保証会社を自由に選ぶことはできず、決められた保証会社としか基本的には契約できません。
理由は、上述したオーナーの意向のほか、物件を管理してる管理会社の都合上、提携してる保証会社のほうが契約もスムーズで入居者を管理しやすいからです。
また、管理会社には保証会社から「紹介料」や「業務委託料」のような形で報酬が支払われるケースもあるため、提携してる保証会社との契約を求められる傾向があります。
大手が管理する物件であれば2~3社から選べることもある
基本的には指定の保証会社と契約しますが、下記の大手不動産会社が管理する物件であれば、2~3社の中から選べることもあります。
不動産会社名 | 代表的なシリーズ物件 |
三井不動産 |
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伊藤忠 |
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東急住宅リース |
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候補となる2~3社の中には、審査が厳しい会社もあれば、審査が甘い会社もあったりします。
このとき、あなたにベストな保証会社を選択できるように、「4章:審査が甘い保証会社と厳しい保証会社6選」を確認するようにしましょう。
1-3. 審査するときにお金はかかる?
保証会社の審査をするときにお金は一切かかりません。
ただ、実際に契約するときは「初回保証料」が必要になります。
初回保証料の相場は「家賃:30~100%」と各社で差がありますが、比較的多いのは「家賃:50%」です。
そして、初回保証料は初期費用と一緒に一度だけ支払います。
1年ごとに契約を更新する
賃貸の契約は2年ごとに更新することが多いですが、保証会社は1年ごとに更新するのが一般的です。
更新料の相場は「1万円もしくは家賃の10%」が多いですが、1年間で3回家賃を滞納すると、更新料として「家賃:1ヶ月分」を請求されるケースもあります。
このように、「審査が通ればどこでもOK」というわけではなく、きちんとプランを確認しないと後悔することもあるので注意しましょう。
1-4. 連帯保証人はいらないの?
基本的に保証会社と契約するときは、連帯保証人は不要です。理由は、保証会社が連帯保証人の役割を果たしてくれるからです。
ただ、連帯保証人をつけることで審査に通る確率は高くなるので、連帯保証人と相談した上で検討してみましょう。
次の章で、申し込みをしてから審査結果が出るまでの期間や、詳しい流れを解説していきます。
2. 保証会社に申し込むときの流れと審査にかかる期間
保証会社に申し込むときの流れは、オーナー用とは別に保証会社用の申込書を提出するぐらいなので、申し込み自体は楽です。
審査にかかる期間は物件によってバラバラですが、一般的には「2~7日」程度です。
この章では、申し込むときに必要な情報や書類から、審査結果が出るまでの期間や流れまで詳しく解説していきます。
2-1. 申し込むときに必要な情報と書類
保証会社の申込書には、オーナー用の申込書と同じ情報を書いて提出します。
このとき、申込書はとにかく丁寧に書くように心がけましょう。理由は、保証会社やオーナーは申込書の書き方や字の綺麗さもチェックしているからです。
また、申込理由もきちんと書きましょう。未記入だと「今の家でトラブルを起こしたのかもしれない」と思われる可能性もあります。
そして、「個人名義」と「法人名義」では必要な情報と書類が異なるので、それぞれ解説します。
申し込みに必要な情報|個人名義の場合
契約者情報 |
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勤務先情報 |
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必要な書類 |
|
個人名義で保証会社を利用するときは、「緊急連絡先」として身近な人を用意する必要があります。
あくまでも緊急連絡先なのでお金の保証責任は一切なく、契約者と連絡がとれないときに連絡が入るだけの役割です。
そのため、申込書に必要な情報は下記の項目ぐらいなので、親族や知人など頼みやすい人にお願いしましょう。
- 氏名
- 生年月日
- 現住所
- 電話番号
- 続柄
申し込みに必要な情報|法人名義の場合
法人情報 |
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入居者情報 |
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必要な書類 |
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法人名義だと申し込み会社の規模によりますが、保証会社を利用する場合でも代表者が連帯保証人となるケースがあります。
審査の厳しい保証会社だと、申込法人に勤務していない人(代表者の親族など)を連帯保証人として求められることもあるため、事前に不動産会社の担当者に確認しましょう。
2-2. 本人確認の連絡が入ることがある
審査の段階で保証会社から本人確認の連絡が入ることがありますが、保証会社の規定や申込者の審査状況によって異なるため、ケースバイケースとなります。
また、緊急連絡先に確認の連絡が入ったとき、「何も聞いてません」といった回答をされると審査に落ちる可能性があるので、事前に伝えておきましょう。
そして、確認連絡で気をつけることは下記の2つです。
着信が残っていたら必ず折り返す
確認連絡が完了しないと審査が止まってしまい一向に結果が出ないので、着信が残っていたらなるべく早く折り返しましょう。
登録していない番号からの着信を拒否してる場合は、着信が入る番号を不動産会社に確認しておき、番号を事前に登録するか、拒否設定を解除しておきましょう。
電話対応を丁寧にする
単なる確認連絡ではありますが、保証会社からすると「どんな人柄なのか知れるチャンス」でもあります。
このとき横柄な態度をとってしまうと、保証会社からの信用度が落ちる可能性もあるので、丁寧に対応するように心がけましょう。
2-3. 勤務先への在籍確認について
保証会社によっては、勤務先にきちんと在籍しているか確認するために電話連絡をすることがあります。
在籍確認なので、本人が外出中でも勤めていることが確認できれば完了となります。
このとき、引越しや契約に関する内容は話されないため、職場の人に気付かれる可能性は低いです。
ただ、どうしても職場に電話してほしくない人は、申し込むときに下記のいずれかを提出するようにしましょう。
- 勤務先名が明記されている健康保険証のコピー
- 顔写真付きの社員証のコピー(名刺は不可)
- 担当部署に発行してもらう在籍証明書
すべて提出すれば在籍確認される可能性は低くなりますが、絶対とはいえないので注意しましょう。
在籍確認が来たときの対処法
在籍確認が入り、職場の人から「・・さん宛に電話きたけど、なにか心当たりある?」のように聞かれた際は、下記のように答えるのが理想的です。
- クレジットカードを新たに作った
- 銀行口座を新たに作った
どちらも在籍確認されることが多い内容なので、引越しと気付かれることなく理解してくれるでしょう。
2-4. 審査結果が出るまでの期間は「2~7日」が一般的
審査結果が出るまでの期間は、2日ということもあれば、7日ぐらいかかることもあります。
ただ、この点に関しては保証会社というよりも、オーナーが個人か法人かで審査期間が大きく異なります。
オーナー | 審査期間 |
個人 | 2~3日 |
法人 | 3~7日 |
個人オーナーの物件は、保証会社の審査が通ればOKというケースが多いので、審査期間は短い傾向にあります。
一方で、法人オーナーの物件は保証会社の審査が通ったあとに法人の会議などで承認をとる必要があるため、自ずと期間が長くなってしまうのです。
特に、大手不動産会社がオーナーの物件は結果が出るまでの期間が長いので、焦らず待つようにしましょう。
一向に連絡がないときは進捗を確認する
申し込みしてから一向に連絡が来ないときは、不動産会社に連絡して進捗を確認しましょう。
引越しシーズンの1~3月などは、多忙のあまり結果が出ているのに連絡できていなかった、なんてこともあったりします。
また、保証会社に「結果は出てますか?」と確認しても結果は教えてくれないので、不動産会社に連絡するようにしましょう。
2-5. 追加で書類や連帯保証人を求められることがある
保証会社の審査で「この人と契約するのはリスクがありそう」と判断されると、追加で下記の書類を求められるケースがあります。
求められる書類 | 求められる理由 |
|
年収が低いと判断されたからです。 ただ、十分な預金があれば家賃滞納する可能性も低いため、審査に通る可能性が高いです。 |
|
怪しい職業と判断されたからです。 年収に虚偽はないか、税金をきちんと納めているか確かめるために、役所で発行する公的な証明書を求められます。 年収に虚偽がなく税金も納めていれば、審査に通る可能性が高いです。 |
追加で書類を求められるときは、保証会社も審査に通そうとしている証拠です。なので、求められたらなるべく早く提出するようにしましょう。
また、通帳が手元にない人や、ネット銀行だから通帳がないという人は、下記の項目がわかるネット上の画面を印刷して提出するか、画像をメールで送りましょう。
- 氏名
- 口座番号
- 預金残高
連帯保証人を求められたとき
申込者だけではリスクがあると判断され連帯保証人を求められたら、要求に応じて連帯保証人を用意するしかありません。
保証会社としてもリスクをできる限り減らしたいと考えているため、用意できないときは審査に落ちてしまいます。
審査に落ちたときの対応は、「5章:保証会社の審査に落ちたらどうすればいいの?」で詳しく解説します。
2-6. 審査に落ちた理由は一切教えてくれない
残念なことに審査に落ちてしまった場合、なぜ落ちたのか、なにが原因だったのかは一切教えてくれません。
この点は、部屋探しから申込みのサポートまでしてくれる仲介会社でも知ることはできないのです。
そのため、保証会社の審査は如何にして落ちないようにするかが重要です。次の章で解説する落ちる人のポイントを踏まえた上で、対策を考えましょう。
3. 保証会社の審査に落ちた人に共通する3つのポイント
審査の基準は保証会社によって異なることに加えて一切公表もされていませんが、審査に落ちた人は共通して下記3つのポイントのどれかに該当します。
- 年収が家賃の36倍を超えていない
- 雇用形態が安定していない
- 過去に滞納歴がある
この章では、3つのポイントの重要な部分と、該当したときの対処法も詳しく解説していきます。
3-1. 年収が家賃の36倍を超えていない
保証会社に限らずオーナー審査でも共通しますが、「年収が家賃の36倍」を超えていないと審査に落ちる可能性があります。
仮に申し込む物件が10万円の場合「10(家賃) × 36(倍) = 360(年収)」となり、年収が360万円を超えていないと審査に落ちやすくなってしまいます。
下記は年収ごとにわけた家賃上限の目安なので、物件を選ぶとき参考にしてください。
年収 | 家賃上限の目安 |
200万円 | 5.5万円 |
250万円 | 6.9万円 |
300万円 | 8.3万円 |
350万円 | 9.7万円 |
400万円 | 11.1万円 |
450万円 | 12.5万円 |
500万円 | 13.9万円 |
550万円 | 15.3万円 |
600万円 | 16.7万円 |
650万円 | 18.1万円 |
700万円 | 19.4万円 |
800万円 | 22.2万円 |
900万円 | 25万円 |
1,000万円 | 27.8万円 |
年収が足りないときの対処法
希望する物件の家賃に対して年収が足りないときは、下記のいずれかで対処すれば審査に通りやすくなります。
対処法 | 具体的な内容 |
|
家賃1~2年分の預金があれば効果的です。 申込書と一緒に「通帳コピー」もしくは「残高証明書」を銀行で発行して提出しましょう。 |
|
定職に就いている親族を連帯保証人として申請すれば効果的です。 連帯保証人がいれば保証会社側のリスクが減るので、審査に通りやすくなります。 |
|
連名契約なら2人分の年収で審査してくれるので効果的です。 ただ、連名のときはそれぞれの連帯保証人を求められるケースもあるので注意が必要です。 |
預金額が少ないときの手段
預金額が少ない人で親族や知人に頼める人がいれば、家賃1~2年分を自分の口座に振り込んでもらいましょう。
そして、通帳コピーだと振り込まれた履歴が記帳されるため、預金額だけが表示される「残高証明書」を金融機関で発行してください。
金融機関が発行した正式な書類を提出すれば、保証会社も「申込者は預金が十分にある」と判断できるので信用度は高くなります。
残高証明書の注意点
残高証明書は発行するのに1週間前後かかるので、申し込み時にすぐ提出できるように前もって準備しておくことが望ましいです。
また、発行する金融機関によって「500~1,000円」の手数料がかかります。
3-2. 雇用形態が安定していない
こちらもオーナー審査と共通しますが、契約/派遣社員は審査に落ちやすく、安定性のある公務員や正社員として雇用されているほうが審査に通りやすいです。
もちろん契約/派遣社員でも通る可能性は大いにありますが、少しでも心配な方は上述したように預金額を提示するのも一つの策です。
また、正社員で雇用されていても下記のようなケースだと審査に通りにくいです。
- 勤続年数が1年未満
- 設立したばかりの会社
- 水商売がメインの会社
- 仕事内容が不透明な会社
上記に該当する場合、年収が基準を超えていたとしても審査に落ちることがあります。
一方で、アルバイトやフリーターの人は安定した雇用形態とはいえないので、連帯保証人を求められる可能性が高いです。
フリーランスや個人事業主の場合
自ら事業を営む人は、収入の浮き沈みが激しいことから審査も厳しくなるので、下記の書類を追加で提出しましょう。
提出するもの | 提出する理由 |
|
前年度の収入や所得の額を証明できる公的な書類だから。 ※収入や所得が安定していれば2~3年分が理想 |
|
定められた税金を納めているか証明できる公的な書類だから。 ※未納がなければ2~3年分が理想 |
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滞納する恐れがないことをアピールするため。 ※通帳コピーや残高証明書が望ましい |
|
どんな仕事をして収入を得ているのかアピールするため。 ※ホームページなどが望ましい |
|
どんな会社と取引した実績があるのかアピールするため。 ※請求書や過去の作品などが望ましい |
保証会社やオーナーにリスクが少ないと判断してもらうには、上記の書類や実績を開示するのがベストです。
ただ、審査が甘い保証会社であれば、確定申告書の提出だけで通ることもあるので、仲介会社の担当者と相談した上で提出するようにしましょう。
3-3. 過去に滞納歴がある
過去にクレジットカードや携帯電話料金、スマホ端末の分割代金の滞納歴がない人は安心ですが、心当たりがある人は要注意です。
というのも、上述したCICに属する信販系の保証会社は過去の滞納歴を確認できます。
主に「直近5年分」のデータが残っているため、5年の間に滞納した覚えがある人で下記の保証会社を利用するときは落ちる可能性が高いです。
家賃滞納も要注意
今住んでる物件や、過去に住んでた物件で家賃の滞納をしたことがある場合、契約書をみて利用していた保証会社を調べてみましょう。
契約書が手元にない場合は、管理会社や過去に契約した不動産会社に聞いてみてください。
そして、「過去に・・保証会社を利用して滞納したことがあります」と、申し込みのサポートをしてくれる仲介会社の担当者へ正直に伝えましょう。
そうすることで、担当者が審査に通るか通らないかおおよその判断ができるため、物件や保証会社の選定がしやすくなります。
信用情報は調べることができます
過去の滞納が気になる人は、スマホやパソコンから自分の信用情報を調べてみましょう。
費用は1,000円かかりますが、下記の「CIC」というサイトから手続きすれば簡単に確認できます。
CIC公式ページ:https://www.cic.co.jp
Q. 審査に通る人の特徴は?
基本的に、安定した雇用形態で長く勤務しながら、年収が家賃の36倍あり、過去に滞納歴がなければ審査に通りやすいです。
ただ、少しでも不安に思うことがある場合は、預金額を提示したり、連帯保証人を用意したりして、審査を進めるようにしましょう。
次の章で、審査の甘い会社と厳しい会社を紹介するので、これから物件を探す人はどの会社が利用しやすいのかチェックしておきましょう。
4. 審査が甘い保証会社と厳しい保証会社6選
賃貸の保証会社は全国に「200社以上」あると言われており、申込者が各社の審査レベルを見極めるのは困難です。
そこで、2017年に国土交通省が定めた一定の要件を満たし、国に登録されてる「72社」の中から、審査が甘い会社と厳しい会社をピックアップします。
審査が甘い保証会社 | |
審査が厳しい保証会社 |
まずは審査が甘い保証会社を詳しく紹介していきます。
4-1. フォーシーズ
「フォーシーズ」は、承認率98%の高水準を記録するほど審査に通りやすい会社で、水商売やフリーターの方からも人気です。
以前までは「初回保証料:家賃100%」と高額でしたが、現在は「有職者であれば50%」と平均的な水準なので、利用しやすいです。
無職の人は初回保証料として「家賃100%」が必要ですが、犯罪歴がない限り審査に通る可能性が高いです。
ただ、審査に通りやすいかわりに、1年間で3回滞納すると更新料で家賃1ヶ月分を請求されるペナルティが設けられています。
フォーシーズ公式ページ
4-2. ナップ賃貸保証
「ナップ賃貸保証」は、承認率も95%と高い水準ですが、1番のメリットはWEBで仮審査ができる点です。
1分で完結する質問に答えれば「仮承認」や「仮承認(条件付き)」などの結果が出るので、悩まず申し込むことができます。
そして、申し込むときに仮審査の結果を提出することで、本審査の結果も早くでるようになります。
ナップ賃貸保証公式ページ
4-3. Casa
「Casa」は、承認率は公表されていないものの「LGO」と称される審査が甘いグループに属する保証会社です。
Casaのメリットは「三井不動産」など、高級物件を取り扱う会社と提携してることが多い点です。
家賃の高い物件は審査も厳しくなりますが、Casaを利用できれば審査に通る確率も高くなるので、高級物件を借りるときは利用すべきといえます。
Casa公式ページ
続けて、審査が厳しい保証会社を詳しく紹介していきます。
4-4. 全保連
「全保連」は、東京でテレビCMが放送されるほど知名度の高い保証会社です。
LICCという保証協会に加盟していることから、協会内で共有してるデータベースを活用し、過去の家賃滞納の履歴を調べられます。
厄介な点として、LICCという協会は加盟している保証会社が多いので、物件を変えてもLICCに属する保証会社だと審査に通らないケースが多いです。
全保連公式ページ
4-5. ROOM iD
「ROOM iD」は、マルイのクレジットカードで有名な「エポスカード」が運営する保証会社です。
審査はクレジットカードを作るときと同じ基準になり、過去の滞納歴もすべてチェックされるため厳しいです。
ただ、エポスカードを既に持っていて、他のカードでも過去に滞納したことがなければスムーズに承認となり、お手持ちのエポスカードで家賃を払えます。
ROOM iD公式ページ
4-6.ジェイリース
「ジェイリース」は、2018年に東証一部上場を果たした保証会社です。
審査には全保連と同じLICCのデータベースに加え、エポスカードのようなクレジット情報も活用します。
そのため、過去の家賃滞納だけでなく、クレジットカードや携帯の滞納歴も発覚しやすいです。
ジェイリース公式ページ
ピックアップした保証会社は全国の賃貸物件でよく利用される保証会社なので、「SUUMO」などの物件検索サイトに出てくることも多いです。
また、申し込む物件が保証会社を2~3社から選べる場合は、改めてこのページを見て比較するか、仲介会社の担当者と相談して決めるようにしましょう。
Q. 外国籍でも審査に通る保証会社はある?
外国籍の人は以下の外国人の保証に強い会社であれば審査に通りやすいです。
「GTN」は外国人専門の保証サービスを提供してる保証会社で、多言語の対応ができるスタッフを数多く揃え、契約後も入居に関するサポートをしてくれます。
また、日本人の保証人や緊急連絡先も用意する必要がないので、単身で来日した人でも利用しやすいです。
そして、賃貸の仲介会社としても営業しているので、物件探しから契約まで任せることができる点も大きなメリットです。
GTN公式ページ
次の章で、運悪く審査が厳しい保証会社にあたって落ちてしまうときの対応策を解説します。
5. 保証会社の審査に落ちたらどうすればいいの?
保証会社の審査に落ちたとしても、すぐにあきらめるのは得策ではありません。
繰り返しになりますが、保証会社は下記4つのグループに分けられているので、グループが異なる保証会社で新たに申し込めば審査に通ることもあります。
- CIC
- LICC
- LGO
- 独立系
ただ、オーナーによって考え方が異なり、「審査に落ちた時点で入居を断る」と決めてるオーナーもいれば、「別の保証会社が通ればOK」としているオーナーもいます。
この点は不動産会社の担当者でないとわからないので、まずは担当者に別の保証会社を利用できるか確認してみましょう。
5-1. 別の保証会社を利用できる場合
別の保証会社を利用できる場合、オーナーは「別の会社で審査が通ればOK」といったスタンスなので、担当者はどうにか審査が通るように動いてくれるはずです。
そして、最初に落ちた保証会社より、審査が甘い会社に切り替えるケースが一般的なので、通る可能性は十分にあります。
なので、審査に落ちたことで悩まずに、別の保証会社の結果を期待して待つようにしましょう。
緊急連絡先には改めて連絡しておく
別の保証会社を利用するときは、改めて緊急連絡先の人に、「また本人確認の連絡が入るかもしれない」と伝えておきましょう。
また、「着信が残っていたら折り返してほしい」といったこともきちんと伝えてください。
5-2. 別の保証会社を利用できない場合
別の保証会社を利用できない場合は、下記の中からあなたができることを考えてみましょう。
上記の中から、「これならなんとかできそう!」といったことがあれば、不動産会社の担当者に「保証会社の代わりにこの条件でオーナーに相談してほしい」と頼んでみましょう。
受け入れてくれるオーナーは少ないかもしれませんが、もしかすると了承してくれる可能性もあるので、1つずつ解説していきます。
審査基準をクリアしてる連帯保証人を用意する
保証会社の利用を必須にしてる物件は厳しいですが、その他の物件であれば連帯保証人の内容次第で了承してくれる可能性もあります。
連帯保証人の基準としては、最低でも下記の条件をクリアしてる人が望ましいです。
- 年収が家賃の36倍を超えてる
- 雇用形態が安定してる
- 過去に滞納歴がない
また、収入が多ければ多いほど有利ですし、大きい会社に務めていたり、持ち家などの資産があれば尚良いです。
そして、関係性が近い親族が望ましいので、両親や兄弟姉妹で申請したほうが通る確率は高くなります。
敷金を2~3ヶ月分多く預ける
敷金は家賃を滞納したときの担保となるお金なので、多ければ多いほどオーナーも安心して部屋を貸し出せます。
このとき、ただ単に敷金を多く預けるのではなく、「契約条件を厳しくしてもいいので、どうにか入居させてほしい」といった旨を伝えましょう。
具体的には、「家賃3ヶ月以上滞納したら解約になる」といった条件を特約で結べば、オーナーも解約を求めることができるので、貸しやすくなります。
ただし、あなたにとってはかなり不利な条件となるので、「どうしてもこの物件に住みたい!」というときに打診してみましょう。
契約期間中の家賃を前払いする
契約期間中の家賃を前払いしておけば、滞納することもなければ保証会社を利用することもないため、オーナーも安心して貸し出せます。
また、「契約形態も定期借家契約にしてください」と打診すれば、了承してくれる確率は高くなります。
定期借家契約とは
定期借家契約は、期間が限定された更新ができない契約形態です。
更新ができないといっても、オーナーと入居者の双方で合意があれば「再契約」することで住み続けることができます。
定期借家契約にすれば、万が一あなたがトラブルを起こしたとき、オーナーが再契約に同意しなければ退去となるので、オーナーのリスクはグッと減ります。
一方で、トラブルなく生活していれば再契約してもらえるので、通常通り長く住み続けることができます。
以上のように、オーナーが少しでも安心して貸し出せる条件を提示すれば、部屋を借りれる可能性があるので、状況に合わせて検討してみましょう。
5-3. 物件を変えるときの注意点
保証会社の審査に落ちたことで、物件を変えることになったときは下記の点に注意しましょう。
なぜ注意する必要があるのか詳しく解説します。
審査に落ちた保証会社を把握しておく
どの保証会社の審査に落ちたのか把握しておくことで、別の物件を探すときの対策がしやすくなります。
というのも、保証会社は4つのグループに分けられていますが、そのうち3つのグループは審査データを共有しているのです。
グループ | 審査データの共有 |
CIC | あり |
LICC | あり |
LGO | あり |
独立系 | なし |
仮にCICに属する保証会社の審査に落ちた場合、別物件の保証会社がCICに属している会社だと、審査に落ちる可能性が高いです。
そのため、次の物件では別グループの保証会社を使える物件を選ぶ必要があります。どの保証会社がどのグループに属しているかは「こちら」で確認できます。
なので、どの保証会社の審査に落ちたのか、きちんと把握しておくことが大切です。
不動産会社を変えるときは審査に落ちたことを正直に伝える
審査に落ちた気まずさから不動産会社を変えて新たに探してもらうときは、「以前・・物件を申し込んだが・・保証会社の審査に落ちました」と正直に伝えましょう。
そうすれば、どの保証会社なら審査に通りそうか、担当者が判断できるため、物件の選定がしやすくなります。
正直に伝えないと、審査落ちした保証会社の物件を提案されるケースもあるので、時間の無駄になってしまいます。
5-4. 親切な担当者に任せることが審査に通るコツ
保証会社の審査に通るコツは、親身になって対応してくれる不動産会社の担当者に任せることです。
理由は、あなたが保証会社を自由に選べないことに加え、審査内容も不透明な部分が多いからです。
経験豊富な担当者であれば、保証会社の特性を理解しているので、あなたでも審査に通る保証会社や物件を提案してくれるでしょう。
気になる物件を2~3件に絞る
気になる物件を2~3件に絞った上で、「この中で審査に通りそうな物件はありますか?」と聞いてみましょう。もちろん審査落ちした保証会社は正直に伝えます。
そうすれば、「この物件なら審査に通りそうです!」と教えてくれるはずなので、実際に内見して問題なければ申し込んでみましょう。
また、この流れが一番審査に落ちにくいので、審査が不安な人は活用してみてください。
次の章で、実際に保証会社を利用するときに知っておくべきことを解説していきます。
6. 保証会社を利用するときに知っておくべき7つのこと
審査に通りさえすればOKと考えずに、きちんと内容を理解した上で契約するようにしましょう。
また、滞納したときの流れも解説するので、少しでも滞納する恐れがある人はトラブルが起きないように確認するようにしましょう。
この章では、下記の7つに分けて詳しく解説します。
6-1. 保証料は退去後に返金されるのか
契約時に支払う初回保証料や、1年ごとに支払う更新料は一切返金されません。
よく間違われやすいのは、初期費用の一部として預ける「保証金」です。保証金は敷金とほぼ同じ役割なので、退去後に返金されます。
このように、保証会社に支払う保証料のことを保証金と認識してる人が非常に多いので、間違わないように注意しましょう。
6-2. 保証料に消費税はかかるのか
住居として借りる物件は保証料に消費税はかかりません。
ただし、事務所や「SOHO=自宅兼事務所」として借りる物件は消費税がかかります。
また、法人名義で住居として利用する社宅の場合、消費税はかかりません。
6-3. 月額保証料とはなにか
保証会社の中には初回保証料を安くするかわりに、月額保証料として少しずつ徴収するプランがあります。
一般的に多いのは「初回保証料50%」ですが、下記のようなプランで募集されることもあります。
- 初回保証料30%|月額保証料1%
- 初回保証料60%|月額保証料1.5%
上記の2番のように割高なプランもあるので、保証会社を2~3社から選べるときはトータルの費用を計算して選びましょう。
6-4. クレジットカードは作らないといけないのか
クレジットカードは任意なので、不要であれば作る必要はありません。
ただ、クレジットカードを作ることで毎月の家賃分がポイントとして貯まる特典があり、還元率は家賃分が「0.5%」、その他の買い物は「1%」が多いです。
引越しを機にメインカードを切り替えて普段使いすれば、ポイントがどんどん貯まっていくでしょう。
クレジットカードが作れる保証会社
下記の保証会社ならクレジットカードを作ることができるので、効率よくポイントを貯めることができます。
保証会社 | 還元率 (家賃 |その他) | 年会費 |
ROOM iD | 0.5%|1% | ・無料 |
RentQuick | 0.5%|0.5% | ・無料 |
レジデンシャルパートナーズ | 0.5%|1% | ・年間利用額10万円以上:無料 ・年間利用額10万円未満:1,250円(税別) |
ただし、信販系の保証会社なので審査は厳しいです。
6-5. 家賃を滞納したらどうなるのか
保証会社により対応は異なりますが、滞納してから1週間前後で電話連絡が入ります。
その後、1ヶ月経っても滞納していると、スタッフが自宅まで来ることが多いです。 その場で滞納した理由や現況を伝え、きちんと払うことを約束します。
それでも滞納が2~3ヶ月続くと、訴訟の手続きに入る旨が書かれた内容証明が届きます。
内容証明は郵便局員から受け取った時点で「内容を確認した」という扱いになるので、無視することはできません。
それでも滞納し続けると強制退去になる
内容証明を受け取ったあとも滞納し続けると、強制退去の扱いとなり、裁判に進むため裁判所から出廷を求められます。
それも無視し続けると強制執行となり、厳しいケースだと荷物をすべて出された上、鍵を取り替えられ入室できなくなります。
上記のことから、家賃滞納が「3ヶ月以上」続くと保証会社は規定に沿って強制執行まで順序よく進めます。
ですので、「もう少し待ってください…」のような泣き言は一切通じないということを覚えておきましょう。
6-6. 連帯保証人はどうなるのか
保証会社との契約で連帯保証人になってる場合は、契約者が家賃の滞納を続けた段階で連絡が入り支払いを求められます。
このとき、契約者が家賃を払えるお金がある場合でも、請求された時点で支払いに応じる必要があります。なぜなら、連帯保証人の責任は法律で定められているからです。
連帯保証人は名前の通り、連帯して保証する役割です。仮に支払いを拒否したりすると法律違反になるので注意しましょう。
連帯保証人になるときは保証する極度額を必ず確認する
契約書には連帯保証人が負担する極度額が記載されているので、契約するまえに必ず確認しましょう。(極度額=支払う限度額)
というのも、2020年4月に民法が改正されたことで、個人の連帯保証人が保証する極度額を取り決めることが法律で定められました。
そのため、親や兄弟姉妹など、個人の方が連帯保証人となる場合、最高でいくら負担しなければいけないのかを確認し、納得した上で契約するようにしましょう。
6-7. 保証人・保証会社・緊急連絡先が不要の物件は危険
稀に「保証人不要・保証会社不要・緊急連絡先不要」で募集されている物件がありますが、危険なので避けるべきです。
なぜなら、オーナーの資産である物件を保証なく貸すことになるので、何かしらのデメリットや事情があると考えられるからです。
物件を管理する不動産会社によっては、家賃を滞納したときの取り立てが厳しい恐れもあります。
今では「フォーシーズ」のように、無職でも審査に通る保証会社はあるので、できる限りきちんと保証会社を使うことが望ましいです。
7. まとめ
保証会社の審査について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
保証会社の審査が必要な理由は、入居者と保証会社が直接契約することになるからです。
また、それぞれの保証会社で審査基準は異なるため、「一概に保証会社の審査は厳しい」とはいえません。
ただ、下記のように、このグループの会社は厳しい、このグループの会社は甘い、といった判断はできます。
グループ | 審査のレベル |
CIC | 厳しい |
LICC | 普通 |
LGO | 甘い |
独立系 | 甘い |
そして、下記に該当する人は審査に落ちやすいので、審査が甘い保証会社を選ぶなどの対策をした上で申し込んでください。
- 年収が家賃の36倍を超えていない
- 雇用形態が安定していない
- 過去に滞納歴がある
審査結果が出るまでの期間は「2~7日」が一般的ですが、この点に関してはオーナーが個人か法人かで審査期間が大きく異なるので焦らず待ちましょう。
オーナー | 審査期間 |
個人 | 2~3日 |
法人 | 3~7日 |
審査に落ちたときは、状況に合わせて下記の中から進めかたを決めるようにしましょう。
- 別の保証会社を利用する
- オーナーが安心する条件を提示する
- 別の物件に切り替える
なにをするにしても担当者の協力が必要なので、親身になって対応してくれる担当者に相談することが、審査に通るコツといえます。
この記事を読んだことで、あなたが保証会社の審査で悩まず住みたい物件の審査が通ることを心から願っています。
グループ分けした保証会社一覧
★が付いてるものは、国土交通省の告示による一定の用件を満たした、国に登録されている保証会社です。
グループ | 会社名 |
CIC 貸金業法指定信用情報機関 |
|
LICC 全国賃貸保証業協会 |
|
LGO 賃貸保証機構 |
|
独立系 |
|
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