賃貸の更新料は無駄!3つのステップで家賃1ヶ月分お得にする全手順

「賃貸の更新料ってなに?」「更新料は交渉できるの?」など、賃貸の更新料について気になっていませんか?

賃貸の更新料は、今住んでる部屋の契約を更新するときに払う費用ですが、賢く交渉することで家賃1ヶ月分お得にすることができます。

このページでは、長年不動産仲介の営業として働いてきた筆者が、賃貸の更新料を下記の流れで解説していきます。

すべて読めば、更新するときにかかる費用から、交渉方法や注意点まで知ることができるので、更新するか、引越すのか、あなたに合ったベストな選択ができます。

1. 賃貸契約の更新料とは

賃貸の更新料は、契約を更新するときにオーナーへ支払う費用です。

役割としては、契約時にオーナーへ支払う「礼金」のような謝礼的な役割なので、契約者にとっては無駄な費用といえます。

また、住む地域によって更新料の考え方が大きく異なるので、一般的な相場からルールまで詳しく解説していきます。

1-1. 更新料の相場はいくら?

更新料の相場は、全国的に見ると「0~0.3ヶ月分」ですが、首都圏だと「0.5~1ヶ月分」が相場です。

つまり、住む地域によって相場は変わります。また、地域は「関東と関西」のような分け方ではなく、以下のように都道府県ごとに変わります。

更新料の設定割合を示した全国マップ

上記のマップは「国交省」と「東急住宅リース」が発表してる調査資料をもとに作成していますが、あくまでも平均値です。

例えば、北海道でも「更新料:1ヶ月」の物件はあるので注意しましょう。

なんで地域によって差があるの?

更新料は地域の習慣性が大きく関係していて、昔から更新料をとらない地域は今でも更新料なしの物件が多いです。

一方で、京都のように更新料を払う習慣がある地域は、隣接地域の相場に関係なく更新料を高く設定しています。

ちなみに、京都には「1年ごとに更新料:2ヶ月分」という物件もあり、東京の物件より高く設定されるケースもあります。

1-2. 更新料は払わないといけないの?

更新料は法律でルールが決められてる費用ではないので、「絶対に払わないといけない」とはいえません。ただし、契約書で更新料の支払いを取り決めているときは、必ず払う義務が発生します。

過去に更新料の支払いをめぐって裁判まで開かれましたが、契約書で取り決められていたことで更新料の支払いは有効と大阪高裁が判断しました。

上記のことから、「1年ごとに家賃:2ヶ月分程度」の更新料であれば、契約書で取り決められているときに限り、必ず払わないといけない費用になります。

1-3. 更新料を払わないとどうなるの?

更新料を払わないからといって、すぐに解約とはなりません。理由は、更新料を払わないまま契約満了日を迎えると、「法定更新」という扱いで契約が継続されるからです。

法定更新されれば契約は自動的に更新されますが、同時にオーナーは「6ヶ月後に部屋から出て行ってくれ」と言える権利が法的に与えられます。

つまり、更新料を払わなくても一時的には住み続けられますが、半年後に解約を迫られる危険があるので、更新料はきちんと払うように心がけましょう。

1-4. 更新料はいつまでに払うの?

更新料は契約が終了する月の家賃支払い日に、翌月分の家賃と一緒に支払うケースが一般的です。

仮に12月31日で契約が終わる場合、12月27日辺りに1月分の家賃と更新料を一緒に払います。

物件によっては更新した翌月に支払うケースもあるので、不動産会社に確認しておくことが望ましいです。

1-5. 更新料に消費税はかかるの?

住居用の物件であれば更新料に消費税はかかりませんが、事務所や店舗だと消費税がかかります。

また、住居兼事務所のときは毎月の家賃で消費税を払っていたら、更新料にも消費税がかかるといえます。

そして、賃貸を更新するときは更新料以外にもかかる費用があるので、次の章で解説していきます。

2. 賃貸契約の更新料以外にかかる費用とは

賃貸の契約を更新するときは、更新料以外にもかかる費用を把握しておくことが大切です。

理由は、部屋の契約だけでなく、火災保険や保証会社をはじめとした、各種サービスの更新にかかる手数料が必要となるからです。

物件の契約内容によって変わってきますが、更新手続きと手数料が必要なものは下記のとおりです。

この章では、それぞれの費用や内容を詳しく解説していきます。

2-1. 火災保険料

火災保険料はどの物件でも必ず加入するもので、2年ごとに契約しなおすプランが一般的です。

費用はプランによって異なりますが、契約したときに払った保険料と同額を新たに支払います。

賃貸の火災保険料の相場は「10,000 ~ 20,000円」なので、最低でも10,000円はかかると思っておきましょう。

火災保険の見直しで保険料がお得になる

賃貸の火災保険は契約者が自由に選ぶことができるため、今の保険と同等のプランで保険料が安い会社で新たに契約すれば、保険料がお得になります。

金額にすると5,000円前後の節約ですが、少しでも費用を抑えたいときは検討してみましょう。

また、火災保険を変更するときは事前に不動産会社に伝えておくことが望ましいです。

2-2. 保証会社利用料

今の部屋を契約するときに保証会社を利用した場合は、保証契約の更新をする必要があります。

更新料の相場は「10,000円」もしくは「家賃:10%分」に設定してる保証会社が多いです。

ただ、「家賃:1ヶ月分」と高額な設定にしてる保証会社も稀にあるので、事前に契約書を確認しておきましょう。契約書がすぐに出てこないときは、不動産会社に確認しましょう。

2-3. オプション費用

今の部屋を契約するときに下記のようなオプションに加入した場合、契約したときに払った加入料と同額を新たに支払います。

  • 24時間安心サポート
  • 24時間駆けつけサービス
  • 入居安心サービス
  • 暮らし安心サポート

どれも加入料は「10,000 ~ 20,000円」ですが、このオプションを「今まで一回も利用したことがない!」という人も多いはずです。

今後も使う予定がなさそうで不要と感じたときは、一度加入を断ってみましょう。

このようなオプションは基本的に任意加入となり、断ることで「10,000 ~ 20,000円」もの費用が浮くこともあります。

請求書に盛り込まれてる

オプション費用の再加入料は、部屋の更新料が書かれてる請求書の中に盛り込まれてることが多いです。

一見すると「必ず払わないといけない費用」と感じてしまいますが、まずは不動産会社に連絡して、任意なら再加入しない旨を伝えてみましょう。

このとき、不動産会社は色々な理由を付けて加入を求めてきますが、「必要ないので不要です!」と断るようにしましょう。

2-4. 更新事務手数料

更新事務手数料は、物件の管理や更新の手続きをする「不動産管理会社」が受け取る費用で、相場は「5,000円」から「家賃:0.25ヶ月分」など幅広いです。

更新料と同様に、契約書で更新事務手数料の取り決めがされているときは、必ず払わないといけない費用になります。

この章で解説した4つの項目は、オーナーに支払う費用ではないので交渉して安くすることはできません。

ただ、部屋の更新料であれば交渉の余地があるので、次の章で詳しく解説します。

3. 更新料を交渉するときにやるべき3つのステップ

更新料を交渉することは可能ですが、いきなり「更新料をなしにしてください!」といってもうまくいかないので、下記のステップに沿って交渉してみましょう。

家賃や更新料の交渉が成功すれば「数万円 ~ 数十万円」お得になるので、賢く交渉していきましょう。

また、部屋を申し込むときに交渉しすぎると入居を断られる可能性がありますが、更新時に交渉して退去させられることはありえないので、多少強引に交渉しても問題ないです。

STEP1. まずは更新後の家賃を安くしてほしいと交渉する

更新料を交渉するよりも先に、更新したあとの家賃を安くしてほしいと交渉しましょう。

理由は、更新後の家賃が安くなれば更新料も自ずと安くなるからです。というのも、一般的に更新料は「新賃料:1ヶ月分」となっているのです。

また、契約から2年経てば今の物件含め、近隣にある類似物件も家賃が下がってる可能性があり、類似物件より家賃が高いときは減額請求ができると、法律で決められているのです。

借地借家法第32条 借賃増減請求権

建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

上記のことから、更新の時期が近づいたら今の物件や類似物件の家賃を調べてみましょう。このとき、今の物件の別部屋が安く募集されているときは最大のチャンスです。

ネットの募集ページなどを提示して、「(別の部屋)or(類似物件)より家賃が高いので、更新後の家賃を同水準まで下げてください」と交渉してみましょう。

STEP2. 家賃の減額が断られたら更新料の免除を交渉する

STEP1.の交渉で家賃減額を断られたら、「では、家賃はそのままでいいので更新料を免除してください」と交渉してみましょう。

オーナーとしては、家賃を減額するより更新料免除のほうが都合がいいのです。理由は、家賃を下げると将来物件を売却するときの価格が下がってしまうからです。

その点、更新料は謝礼的な費用なので、免除してもオーナーが大損することはありません。

更新料の免除も雲行きが怪しかったら引越しも視野に入れる

更新料の免除を交渉した時点で雲行きが怪しかったら、別の物件に引越すことも視野に入れておきましょう。

最近は「礼金・仲介手数料が不要」な初期費用の安い物件が多いので、最低限の負担で引越せます。詳しくは「4章:更新と引越しはどちらがお得なの?」で解説します。

一方で、今住んでる部屋に住み続けたいときは、STEP3.の交渉をしてみましょう。

STEP3. 更新料が免除にならないときは分割払いの交渉をする

これまでの交渉方法で更新料が免除にならないときは、少しでも負担を分散できるように、分割払いの交渉をしてみましょう。

この点に関しては、「このまま住み続けたいが、一括での支払いが厳しい」と素直に伝えた上で、オーナーの回答を待ちましょう。

また、1~2ヶ月後にボーナスが入るなら、ボーナス払いの交渉もオーナー次第で受け入れてくれるかもしれないので、あわせて相談してみましょう。

すべての交渉が断られたときは?

すべての交渉が断られたときは、あなたの生活環境や預金面を考慮して下記のどちらかを選択しましょう。

  1. 更新料を払って契約を更新する
  2. 更新料を引越し代金に充てて引越す

1.を選択したときは更新料を払うだけなので、手間なく住み続けられます。

2.は物件探しから初期費用の支払いなど手間や負担はかかりますが、無駄な初期費用を省いた物件であれば、引越し代金+αぐらいで済むケースもあります。

次の章で、更新料を払って更新するのと、別の物件に引越すのはどちらがお得なのか、詳しく解説します。

4. 更新と引越しはどちらがお得なの?

先に結論から伝えると、初期費用が2~3ヶ月分の物件に引越すのであれば、数万円の負担もしくはお得になります。

この章では、更新にかかる費用を払って契約を更新するか、更新にかかる費用を引越し代金に充てて引越すか、どちらがお得なのか算出してみます。

今住んでる物件の家賃を「100,000円」と仮定して、更新後、1年間住んだときにかかる費用は以下のようになります。

更新したあと1年間住んだときにかかる費用

上記の「1,330,000円」をベースにして、いくら追加で負担すれば引越せるのか、逆に引越したほうがお得なのか、確認してみてください。

比較しやすいように、引越し先の物件を下記4つのケースにわけて解説します。

一般的に初期費用の相場は「家賃:4~5ヶ月分」ですが、礼金や仲介手数料などを省いた物件であれば、「家賃:2~3ヶ月分」になります。

設定条件

引越し代金に関しては、単身引越しの平均額である「70,000円」で計算します。

今の物件の敷金は、ハウスクリーニング費用を差し引かれた「50,000円」が返金される形にします。

その他の項目は、一般的な相場に合わせて計算します。

家賃:100,000円|初期費用:4~5ヶ月分の物件

家賃は今の物件と同じ「100,000円」、初期費用は相場どおりの「4~5ヶ月分」の物件に引越したときにかかる費用は下記のとおりです。

項目 金額
敷金(1ヶ月分) 100,000円
礼金(1ヶ月分) 100,000円
仲介手数料(1ヶ月分) 110,000円(税込)
保証会社利用料(0.5ヶ月分) 50,000円
火災保険料 20,000円
引越し代金 70,000円
家賃(1年分) 1,200,000円
【返金分】敷金(0.5ヶ月分) −50,000円
合計 1,600,000円

上記のとおり、1年間で「1,600,000円」かかるので、引越すことで「270,000円」余計に払うことになります。

なので、「同じ家賃、相場どおりの初期費用」の物件であれば、引越さずに更新したほうが余計なお金を払わずに済みます。

家賃:100,000円|初期費用:2~3ヶ月分の物件

家賃は今の物件と同じ「100,000円」、初期費用は「2~3ヶ月分」の物件に引越したときにかかる費用は下記のとおりです。

項目 金額
敷金(1ヶ月分) 100,000円
礼金(1ヶ月分) 100,000円
仲介手数料(1ヶ月分) 110,000円(税込)
保証会社利用料(0.5ヶ月分) 50,000円
火災保険料 20,000円
引越し代金 70,000円
家賃(1年分) 1,200,000円
【返金分】敷金(0.5ヶ月分) −50,000円
合計 1,390,000円

上記のとおり、1年間で「1,390,000円」かかるので、引越すことで「60,000円」余計に払うことになります。

このとき、「60,000円ぐらいで済むなら引越したい」と感じた人は、初期費用2~3ヶ月分の物件を探してみましょう。

ただ、礼金や仲介手数料がない初期費用2~3ヶ月分の物件は数が限られるので、早い段階から物件を探しはじめることが望ましいです。

家賃:90,000円|初期費用:4~5ヶ月分の物件

今の物件より家賃が10,000円安くて、初期費用は相場どおりの「4~5ヶ月分」の物件に引越したときにかかる費用は下記のとおりです。

項目 金額
敷金(1ヶ月分) 90,000円
礼金(1ヶ月分) 90,000円
仲介手数料(1ヶ月分) 99,000円(税込)
保証会社利用料(0.5ヶ月分) 45,000円
火災保険料 20,000円
引越し代金 70,000円
家賃(1年分) 1,080,000円
【返金分】敷金(0.5ヶ月分) −50,000円
合計 1,444,000円

上記のとおり、1年間で「1,440,000円」かかるので、引越すことで「114,000円」余計に払うことになります。

家賃を10,000円下げたとしても、初期費用が4~5ヶ月分の物件だと割高になってしまうので、引越さずに更新したほうが余計なお金を払わずに済みます。

家賃:90,000円|初期費用:2~3ヶ月分の物件

今の物件より家賃が10,000円安くて、初期費用は「2~3ヶ月分」の物件に引越したときにかかる費用は下記のとおりです。

項目 金額
敷金(1ヶ月分) 90,000円
礼金(1ヶ月分) 90,000円
仲介手数料(1ヶ月分) 99,000円(税込)
保証会社利用料(0.5ヶ月分) 45,000円
火災保険料 20,000円
引越し代金 70,000円
家賃(1年分) 1,080,000円
【返金分】敷金(0.5ヶ月分) −50,000円
合計 1,255,000円

上記のとおり、1年間で「1,255,000円」になるので、今の物件を更新するよりお得になります。

また、引越して2年間住めば、家賃を下げたことによってさらに「120,000円」お得になるので、物件のグレードが多少落ちたとしても引越す価値はあるといえます。

結論. 引越し先の条件次第で変わる

4つのパターンで解説してきましたが、結論として、初期費用が2~3ヶ月分の物件に引越すのであれば、数万円の負担もしくはお得になります。

一切の負担なく引越したいときは、家賃を10,000円程度下げた上で、初期費用2~3ヶ月分の物件を探すことが望ましいです。

要するに新たな物件の条件次第で、更新したほうがいいのか、引越したほうがお得なのかが決まるため、物件探しが重要になるでしょう。

物件の賢い探し方

初期費用がお得な物件の探し方は、下記の記事にまとめているのでチェックしてみましょう。

賃貸の初期費用はいくら?家賃3ヶ月分得する物件の探し方を徹底解説!

Q. 引越すときはまず何をすればいいの?

引越すときは契約書の「解約予告期間」をチェックしましょう。契約書が手元にないときは、契約した不動産会社に「解約予告期間を教えてください」と言えば教えてくれます。

解約予告期間とは、解約するときは何ヶ月前までに申請する必要があるのかを定めている期間のことです。

一般的に多い「1ヶ月前」となってるときは、解約したい日の1ヶ月前には解約することを伝える必要があります。

(例)3月末で解約したいとき

2月末までに解約することを伝えれば問題ありません。

ただ、連絡するのを忘れていた場合、仮に3月10日に「3月末で解約したい」と伝えても、4月10日までの家賃がかかるので注意しましょう。

契約が終わる日に合わせて解約するときも、契約が終わる日の1ヶ月前に更新しないことを伝えないと、自動的に更新されるケースもあるので注意が必要です。

つぎに物件を探しはじめる

解約予告期間や契約が終わる日を把握したら、実際に物件を探しはじめましょう。

このとき、契約が終わる日が3~4ヶ月先ならゆっくり探しはじめて「いい物件があれば引越す」という流れでいいですが、更新が2ヶ月後に迫ってるときは少し急ぎましょう。

先ほど伝えたとおり、契約が終わる日の1ヶ月前には「更新するか・しないか」を伝える必要があります。

なので、契約が終わる日の1ヶ月前には新しい物件を決めておくことが望ましいです。

物件を決めるのが先決

物件が決まっていない状態で解約することを伝えると、万が一物件が見つからなかったとき行き場を失うので、まずは物件を決めることが先決です。

また、オーナーは解約を希望されたときから新たな入居者を探しはじめます。入居者が見つかって契約までした場合、「やっぱり解約しないで更新します」ということができなくなります。

なので、契約が終わる日の1ヶ月前までに新たな物件が見つからないときは、更新料を払って更新することが望ましいです。

次の章では、これから契約をする人、これから物件を探す人、どちらの場合でも確認すべき更新料に関わる点を解説します。

5. 賃貸を契約するとき確認すべき更新料に関わる4つのこと

賃貸を探すときは家賃や部屋の条件にばかり意識が偏ってしまいますが、更新料に関係する点も注意すべきです。

契約したあと後悔しないように、下記4つの点を詳しく解説していきます。

5-1. 更新料の金額を確認する

基本的なことですが、更新料は契約するまえに必ず確認するようにしましょう。

繰り返しになりますが、下記の更新に関連する費用はいくらかかるのかも確認するべきです。

保証会社の更新料

保証会社の更新は1年ごとになるので、更新料を支払う回数も自ずと多くなります。

相場は「10,000円」もしくは「家賃:10%分」が多いですが、保証会社によっては1年間の滞納回数に応じて更新料が変動し、最大で1ヶ月分を請求してくるケースもあります。

また、保証会社の更新料は契約時に詳しく説明されないケースが多いので注意が必要です。

更新事務手数料

更新事務手数料の相場は「5,000円」から「家賃:0.25ヶ月分」が多いですが、管理会社によっては「家賃:0.5ヶ月分」と高い設定にしてることもあります。

この場合、「更新料:1ヶ月分+更新事務手数料:0.5ヶ月分」を更新時に毎回支払うことになるので、無駄な出費が多くなってしまいます。

基本的に更新事務手数料は不要な物件のほうが多いので、無駄な費用を払いたくない人は更新事務手数料不要の物件を選ぶべきです。

5-2. 契約期間を確認する

どの物件でも契約期間が必ず定められているので、契約するまえに必ず確認するようにしましょう。

賃貸物件は契約が終了するごとに更新する必要があるので、下記のように契約期間によって更新料を支払う回数が変わってきます。

同じ物件に7年住んだときのケース

  • 1年契約:支払い回数「6回」
  • 2年契約:支払い回数「3回」
  • 3年契約:支払い回数「2回」

上記のとおり、契約期間が長いほうが更新する回数は減るのでお得になります。

一般的には「2年契約」が多いですが、都心の物件だと「1年契約」や「3年契約」の物件も割と多いので、必ずチェックするようにしましょう。

5-3. 契約形態を確認する

賃貸の契約形態は下記の2つがあるので、契約する物件がどちらの契約形態か確認しましょう。

  • 普通借家契約ふつうしゃっかけいやく
  • 定期借家契約ていきしゃっかけいやく

一般的に多いのは「普通借家契約」ですが、最近は「定期借家契約」も増えてるので詳しく解説します。

普通借家契約

普通借家契約は、更新料を払い契約を更新することで住み続けることができる一般的な契約形態です。

注意する点としては、上述した「更新料・更新事務手数料の金額、契約期間」です。

希望する物件が「更新料:1ヶ月|更新事務手数料なし|契約期間:2年」であれば、特に問題ないといえます。

定期借家契約

定期借家契約は、住める期間が限定されてる更新ができない契約形態です。

よくあるケースとしては、オーナーの転勤期間中や、物件の取り壊しが予定されてるときなどに、定期借家契約にすることが多いです。

また、オーナーと入居者の双方が合意すれば、再契約することで住み続けることができますが、下記のような注意点があります。

基本的に契約期間中の解約は不可

仮に「定期借家契約:3年」だとしたら、基本的に3年間は途中解約することができません。

ただし、特約が結ばれてるときと、200㎡未満の居住用物件でやむを得ない事情(転勤・療養・親族の介護など)があれば、途中解約できます。

最近は特約付きで契約することが多いのでリスクは少なくなっていますが、特約がない契約は危険なので事前に確認するようにしましょう。

再契約時に改めて初期費用がかかることがある

居住用物件の再契約であれば、再契約料として「家賃:1ヶ月分程度」を支払うケースが多いですが、稀に礼金や仲介手数料などを再度請求されることがあります。

そうなると多額の費用を負担することになるので、こちらも契約するまえに「再契約時の費用はいくらかかるのか」必ず確認するようにしましょう。

以上のことから、定期借家契約はリスクのある契約形態といえるので、先を見据えて慎重に検討するようにしましょう。

5-4. 更新料なしの物件は類似物件と家賃を比較する

更新料なしの物件は類似物件より家賃が高いケースが多いので、必ず比較するようにしましょう。

賃貸物件が増え続けてる中で、少しでもアピールするために「更新料なし」の条件にしますが、更新料分を毎月の家賃に上乗せしてることがあります。

仮に70,000円で募集しようとする場合、「更新料なし」にして家賃を3,000円上げれば「2年間で72,000円」プラスになるので、実質的に更新料ありと同じになります。

営業マンに乗せられてしまう

営業マンから「この物件なら2年ごとに73,000円を一括で払う必要ないですよ!」と言われれば、「確かに73,000円を一括は大変…」と感じ、「長く住む予定だからここにしよう!」と思ってしまいます。

また、「更新料なし」という魅力にばかり意識が偏ってしまい、ほかと家賃を比較しないまま契約する人が多いので注意しましょう。

以上のことから、「更新料なし」のときは類似物件と家賃を比較した上で契約するようにしましょう。

6. まとめ

賃貸の更新料について解説してきましたが、いかがでしたか。

更新料は契約を更新するときにオーナーへ支払う謝礼的な費用なので、契約者にとっては無駄な費用となります。

また、下記の更新料や手数料がかかることもあるので、トータルでいくらかかるのかを把握することが大切です。

そして、更新料を交渉するときは下記のステップに沿って交渉するようにしましょう。

一方で、「更新料を払うぐらいなら引越したい!」という人は、下記の記事を参考に初期費用がお得な物件を探してみましょう。

理想の物件が見つかったときも契約したあと後悔しないように、下記の条件を確認した上で契約しましょう。

あなたがこの記事を読んだことで、賃貸の更新料で悩まずに希望の物件に住めることを心から願っています。

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